阪神・球児 大野氏に不惑の誓い「できれば40、50セーブ」「キャリアハイ出したい」

[ 2020年2月22日 05:55 ]

藤川は大野氏(奥)と対談しポーズを決める
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 阪神・藤川球児投手(39)が21日、スポニチ本紙評論家で43歳まで現役を続けた大野豊氏に、7月で40歳を迎えるシーズンに懸ける思いを語った。あと7に迫る日米通算250セーブを通過点に、守護神としてキャリアハイの成績を残すことを力強く宣言。すべてはチームの優勝、矢野監督のために……。節目の一年を全力で駆け抜ける。 

 大野氏(以下大野) 対談は2年連続かな。キャンプも終盤に入ってきたけど、今の状態はどうかな?

 藤川 順調だと思いますね。昨年より、なお順調というか。普段は(体重を)4、5キロ絞って(シーズンに)入るんですけど、今年は開幕が(例年より)早いので(ここまでは)絞らずに入っているんですよ。夏場がちょっと心配ですけどね。

 大野 しっかりと準備をしてキャンプに入ってきたと思うけど、体の疲労はあるんじゃないのかな?

 藤川 最初は肘のほうが張って、次に肩に来て、次は背中に来るんですけど、それで終わりですね。下半身の方は十分ですね。

 大野 今年で40歳。気持ちの上で大きな変化はあるかな?

 藤川 いやいや、グラウンド上では年齢は関係ないですね。

 大野 年齢で野球をやるわけじゃないからね。その面では、気持ちは変わっていない?

 藤川 キャリアハイを出したいなと思っていますし、出せるんじゃないかな、という手応えもあるんで、大丈夫だと思いますね。

 大野 日本で241セーブ、米国で2セーブ。節目の250セーブは日米通算で考えるのか、日本だけを重要視するのか。昨年は意識しないと言っていたけど数字への思いは?

 藤川 選手としてのキャリアは日本、米国、独立リーグも同じなので。NPBだけとかは、こだわりはなくて。(日米通算であと)7つなら7つ。周りが捉える数字でいいのかなと思います。自分個人としてはどの試合も大事にしてきたのでこだわりはないんですけどファンの方の応援だったり、先輩方がやってきたこと、後輩がこれから目指していくこと、すべてを考えると(250セーブは)大切にしないといけない一つの区切りなのかなという気がしますね。

 大野 目前まで迫っている状況でクリアしたい思いはあるよね?

 藤川 今の段階で言えるのは全く難しい数字ではないですね。それより7つ…9、10、11と積み重ねていくうちにどれだけ(セーブ機会で)成功しているのか。何回失敗しているか。ゼロが一番いいので。毎試合、立ち向かっていくので一つも失敗のないようにいきたい。それを続けていくと、そこ(250セーブ)にも到達しているのかなと。日々を大事に頑張りたい。

 大野 昨年はシーズン途中から抑え役で16セーブ。今年は守護神復活の年になるよね?

 藤川 セーブ機会じゃなくても抑えないといけない。負け数を少なく0敗がいいですし、できれば40、50セーブと。50やってみたいですね。でも、数は関係ないんですよ。極端に言えば100でもいいし、0セーブでも優勝すればそれでいい。

 大野 今年の阪神はセーブ機会は多くなりそうだね?

 藤川 それはありますね。25、26(セーブ)で終わるときはほとんどセーブ機会が来ないんですよ。あんまりこだわらずに、チームの命運を握る場面で、これを打たれたら負ける同点の場面とか、そういうところを、より率先して(自分が)行きたい。元々、(窮地で)出て行きたい方なので。そこで(ピンチをしのいでイニングをまたいで)延長戦まで投げられるような強さを見せたい。

 大野 日本通算の防御率は2・02。昨年も言っていた生涯防御率1点台というところにはこだわっていくと思う。シーズン終了時に1点台になっていることが目標になる?

 藤川 もちろんです。それは(自分の中で)できなきゃいけないんじゃないかなと。昨年も1回(1点台に)入ってるんですよね(※1)。“まだまだこれで終わるんじゃないぞ”と自分の成績から叱咤激励が飛んできたんだと思っていますね。そういう意味では、守らなくていいのかもしれないですね。今、1点台に入っていたら守ってしまいそうで。

 大野 チームは昨年3位でクライマックスシリーズにも進出した。優勝を目指している中でチーム全体の雰囲気はどう感じている?

 藤川 非常にいいと思いますね。攻撃陣に厚みを増そうと思って球団の方でも補強をして。それこそ、外国人打者に力も借りるというところで。何とか得点をね。どこかから飛んでくる1、2点であれば、というところなので。そのためにも自分たち(リリーフ陣)が、しっかりしていないと崩れるので。前年度良かった部門、悪かった部門があって、悪かった部門を補強したら良かった部門が悪くなるという(こともある)。そこは自分たちの言葉も含めて、自分たちは昨年以上の成績を残さないと、貢献したと言えないですよね。

 大野 ベテランとして若手に思うところはあったりする? 若手から積極的に聞きに来ることはあるの?

 藤川 ありますよ。最近の選手には会話しますよ。僕が気になるのは(若い選手は)良かった時に戻そう、戻そうとする(姿勢)。僕はどっちかというと、毎年新しいものをつくり上げて変わっていかないといけない、と思っています。見た目には変わってないかもしれないけど、春に昨年の良かった時はこうだったのにな、と追い求めてる選手が多い。そうじゃなくて、この2月のキャンプに来るまでに(昨年の)秋季キャンプが始まったぐらいから新しいもの、来年はこうやって戦う、というものをつくり上げておけば、探さなくていい。どんどん積み重ねていって、その年の自分にぶつけていく作業で、僕は(今まで)来たので。

 大野 良かった時に戻すというスタイルでは、成長がなかなかできないよね。

 藤川 やってきたことに、さらにやろうとした時、元々できていたことができなくなる。昔よく言われた“3年は続けなさい”と。1年良かっただけで自分の行い、言動含めて、あまりにも周りの状況が変化しやすい最近の世の中なので。(マスコミに)取り上げてもらうことも増えますし。そこでしっかりとした自分をつくり上げて、人として成長していって3年たった後、大丈夫だと思うんですけど。例えば(広島の)鈴木誠也とかは(ソフトバンクの)内川に習いに行ったりして、自分の修行という時間をしっかりとつくっている(※2)。(阪神の選手も)そういう選手でいてほしい。タイガースのブルペンで何番目とか競っても仕方ないじゃないですか。そこを感じます。

 大野 年齢を重ねるほど、自分さえ良ければという立場ではなくなってくるよね。勝ち負け、雑音も入ってくる。苦労だと思ったりはしない?

 藤川 全然、苦労じゃないですね。1回、タイガースのユニホームを脱いで野球をやったので。1人でやることの大変さ、そこで足りないこと。やっていかないといけないことを、ある程度分かった。阪神に戻った時に、自分でやらないといけないこと、周りが助けてくれていることを、選手に率先して話をしたり。(環境面でも)すべてが揃っている中で、やらないと損だし。自分がパフォーマンスを上げることで(他の選手に)つなげていきたい。経験が増えたから分かる。経験という部分のベテランというところで、若い選手と交流はしていきたいんですけど、みんな結局、通らないと分からないですからね。いくら話しても、自分が苦しんで、という時にしか気付けない。世の中、人間ってそういう風につくられてるんだなと思いますね。

 大野 2020年は40歳を迎えるシーズン。日本に帰ってきた当初は苦労したように見えたけど、昨年から球児の持ち味、パフォーマンスが感じられるようになった。何かこれという要因はある?

 藤川 やっぱり現場レベルもそうですし、自分のパフォーマンスを思う存分出してくれ、という環境が整ったのが一番大きいかもしれないですね。(自分が)働きやすい環境になった。(阪神に)戻ってきた頃は(厳しい場面などに)若い選手を出したり、ベテランとして立ち回ってほしいというところで、その役割をやりながらというのでいたんですけど。若い選手たちが、僕が今やっているレベルのパフォーマンスを求められて、できなくて“球児お願い”となってきただけのことですね。

 大野 最後にスポニチ読者に今年の意気込みを。

 藤川 やっぱり(矢野)監督についていくし、監督がグラウンドでプレーできない分、自分は駒として日本一までいきたい。今、タイガースにとっては、すごくいい流れが来ているので、これを離さずに開幕から突っ走るので、ファンの方も一喜一憂しながら、止まらずに、優勝する瞬間を見逃さないでほしいですね。

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