ソフトバンク・森 不動の守護神へ「“やるか、やられるか”ではない。“やるか、やるか”」

[ 2020年2月22日 05:50 ]

インタビューを終え鍛え抜かれた太い右腕を見せる森(撮影・岡田 丈靖)
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 3年ぶりリーグVへ、9回は任せろ――。ソフトバンクの宮崎キャンプは第5クールが終了。23日からオープン戦が始まる。奮闘中の選手の素顔に迫る「休日インタビュー」の最終回は守護神・森唯斗(28)。長期離脱していた元守護神デニス・サファテ(38)も復調を目指すが、森も“9回の男”の座を渡すつもりはない。クローザーとして3季目へ「やるか、やられるか、ではない。やるか、やるか」と強気だ。

 ――ここまでのキャンプを振り返って。
 「凄く順調に来ています。しっかりと追い込めているし、本当にいいキャンプを過ごせている。今までにないくらい、体が凄くいいです。体の変な、嫌な部分がないのかな、と思っていますね」
 ――9日にシート打撃に登板し打者5人を無安打に抑えた。実戦での手応え、課題は。

 「まだまだです。体、球に切れはない。追い込めているだけ。なので瞬発系のトレーニングを増やしています。体に切れが出ればボールにも出てくると思う。開幕まで約1カ月。ここからが勝負かな。1、2月で体はつくれたと思うので、どのように持っていくかが鍵となってくると思う」

 ――長期離脱していたサファテが再来日し、キャンプ初日から一緒にキャッチボール。。刺激し合っている。

 「デニスは野球への熱があるし、いいライバルとしてできている。デニスも、僕も9回のポジションを目指している。僕は2年しか(守護神を)やっていないけど、あの位置を味わった。だから絶対に譲りたくない、という思いは持っています」

 ――守護神としての心構えとは。

 「チームが勝っている時に僕にスイッチされますが、点は取られていい、どんだけ打たれてもいい。ただ負けなければいいと思っている。打たれても負けなければいい。その試合を終わらせればいいと思っています」

 ――9回までの気持ちの持っていき方は。

 「6回くらいからブルペンでキャッチボールを始めて、7、8回までに肩をつくる。9回表で投げる場合、8回表の電話の音“プルプルプル♪”の音で、スイッチが入りますね。そこから集中して、モードに入っていくように持っていってます」

 ――マウンドではいつもどんな気持ちか。

 「誰が相手でも弱いところを見せない、というか、見せたら負けなんです。絶対に抑えられると自分に言い聞かせる。引いたら負けなんですよ。気持ちで攻めないといけない」

 ――徳島の漁師町出身でよく「マグロのように○○」と言う。どんな意味で言うのか。

 「僕の中で、一度止まってしまったら、上がってこられるかな、というのがあって。休みの日でも外に出て動きたいし、部屋にいた方が疲れます。僕はいつ、どうなってもいいので生き続けたいなと。行けるところまで動き続けたいなと。マグロは止まったら終わり。僕も止まったら終わりなんですよ。投げ続けないといけない」

 ――今季年俸も球団の日本人投手最高となる4億6000万円。4年契約も結んだ。

 「凄く評価をしてもらったと思っていますので、そこは意識します。そんだけもらっているんだから、もっとやれよ、と思われたくないのでしっかりやりたいですね」

 ――今季から副選手会長として中村晃新選手会長を支える立場に。どのような動きを。

 「選手が思っていること、言いにくいことをフロントにつなぐパイプ役になればとは思っています。気が付いたことがあれば何でも言ってもらいたいですし、中村選手をサポートできたらいいです」

 ――14年から6年連続で50試合以上登板。2年連続で30セーブ以上を挙げた。今季の具体的な目標は。

 「僕はあまり数字では言いたくないんです。でもずっと、数に関しては継続していきたいし、ずっと9回で投げたいですし、リーグ優勝はしないといけないと思います。この(プロ野球の)世界、やれば自分のものになるし、やらなければ。やらないと、どうにもならない。“やるか、やられるか”とかではないんです。やらないといけないんです。だから“やるか やるか”なんです」

 ◆森 唯斗(もり・ゆいと)1992年(平4)1月8日生まれ、徳島県出身。小学1年から野球を始め、海部高では甲子園出場なし。社会人の三菱自動車倉敷オーシャンズから2013年にドラフト2位で入団。18年からクローザーを務め、同年に37セーブで最多セーブ投手。1メートル76、94キロ。右投げ右打ち。

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