エ軍の鉄腕N・ラミレスに聞いた ケガをしないために大事なこと

[ 2019年10月21日 09:00 ]

本紙取材に笑顔で応じたN・ラミレス(撮影・柳原 直之)
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 メジャーリーグはポストシーズンの真っ最中だが、少し今季を振り返りたい。5年連続でプレーオフ進出を逃したエンゼルスについてだ。既にいくつものメディアが故障者続出や投手力の弱さをその要因として報じているのはご周知の通りだろう。

 そんな中、2年連続で50試合以上を投げた救援右腕ノエ・ラミレス投手(29)に注目した。今季は51試合に投げ5勝4敗、防御率3・99。勝ちパターンで出てきたかと思えば、試合序盤の劣勢の場面でも登板した。どんな時でもエ軍のマウンドを支え続けた右腕に話を聞いた。

 ラミレスは野球人生で手術歴がないという。そこで、故障を防ぐ秘けつを尋ねると、こんな返事が返ってきた。

 「自分の練習プログラムをきっちり持つことが大事。僕はしっかりストレッチをすることと、軽い重量での肘や肩周りのエクササイズをすることを心掛けているよ」。

 例えば、ラミレスは試合前のルーティンとしてクラブハウスで右肩、右肘に温熱パックを当てて試合に備える。「僕はアイシングが苦手で筋肉はずっと“緩い”状態にしていたいんだ」という。一方、左横の椅子に座る守護神ロブレスは必ずと言っていいほど試合前、そして試合後に肩肘にアイシングを施している。ラミレスに聞くとこう答えた。「それぞれに違うプログラムがあるからね。みんな自分に合ったやり方を持っている。それが良い状態を保つために大事なことだと思うよ」。人それぞれ体のつくりが違うから、ケア方法も違う。ロブレスも今季、故障なくキャリア最多の71試合に登板し、同最多の23セーブを挙げた。最先端の知識や情報を元に試合に備えるメジャーリーガーが真逆のケア方法に取り組んでいるから面白い。

 ラミレスはカリフォルニア州立大フラートン校時代の2010年に日本で開催された世界大学野球に米国代表として出場した経験があるほどの野球エリートだ。しかし、年間を通じてメジャーでプレーしたのは昨季が初めてだった。スリークオーターからぶん投げるような投げ方はお世辞にも肩肘に優しい投げ方には見えない。それでも、ラミレスは言う。「僕は体が強いから大丈夫。マッサージは2、3週間に1度の頻度で、かなり痛みが強い時にしかしてもらわないね。常にウオーミングアップをして、肩や肘を温めることを意識しているからね」。自身の哲学を貫き、ここまで這い上がってきた。

 「ブラッド(オースマス前監督)は僕たち投手陣にいつも“調子はどう?痛みはない?”と語りかけてくれたんだ。ありがたかったね。そういう時は自分に正直であるべきなんだ。それがプログラムの中で一番、大事なことだ。特に若い選手たちにとっては大事だね」。自分の体と正直に向き合い、無理をしないことが健康であり続ける上で最も大事だという。

 「毎年、毎年上手くなることを考えているよ。もっと試合に投げたいし、もっと防御率を下げたい。もっと試合終盤の厳しい場面を任されるような投手になりたいし、信頼される投手になりたいんだ」。このオフ、エ軍は投手陣の補強をテーマに掲げている。だが、縁の下を支えるラミレスのような存在も忘れてはならないと強く感じている。(記者コラム・柳原 直之)

 ○…ラミレスは“日本好き”としても知られる。シーズン途中から大谷と水原一平通訳の勧めでモデル兼歌手のきゃりーぱみゅぱみゅのヒット曲「ファッションモンスター」を登場曲に使用し、1930年代の巨人の復刻ユニホームをジャケット代わりに球場入りしたこともあった。近い将来、中継ぎ右腕ベドロジャンと日本への旅行も計画中だといい「翔平には“僕たちはその時、お金を払わないから全部払ってね”って伝えているよ(笑い)」と笑顔で話していた。

 ◇ノエ・ラミレス 1989年12月22日生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身の29歳。カリフォルニア州立大フラートン校からドラフト4巡目指名(全体142番目)でレッドソックス入り。15年7月にメジャーデビューし、17年途中からエンゼルスに所属。メジャー通算163試合に登板し12勝10敗1セーブ、防御率・4・31。1メートル91、93キロ。右投げ右打ち。

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