ロッテ ドラ1佐々木を1軍キャンプスタート 井口監督明言「ブルペンで見てみたい」

[ 2019年10月21日 06:50 ]

ロッテのドラフト1位、大船渡・佐々木
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 ロッテが17日のドラフト会議で4球団競合の末に交渉権を獲得した大船渡の佐々木朗希投手(17)を来年2月の石垣島キャンプで1軍スタートさせることが20日、分かった。井口資仁監督(44)が明言した。最速163キロを誇る至宝をまずは目の届く場所に置き、1軍レベルを体感させるとともに、その力量をじっくりと判断することになる。

 ドラフト会議からまだ3日。指名あいさつや対面すらしていなくても、井口監督は決断していた。最速163キロ右腕は身長1メートル90、85キロとまだ線が細く、体づくりが最優先。キャンプは2軍スタートが濃厚と思われたが、指揮官の考えは違った。

 「基本的には1軍でやらせるつもりです。やりながら体づくりや状態も把握したいし、当然、ブルペンで彼のボールも見てみたい」

 1、2軍合同だった18年の安田、19年の藤原は「経験」させる意味もあり、ドラフト1位は1軍スタートさせてきたが、高校生投手は初だ。

 ただ、考えはある。石垣島キャンプは1、2軍が同じ施設内の別球場で練習を行うこともあり、スタートは目の届く場所に置き、資質を存分に見定めることが可能になる。1軍メンバーは10日間程度のキャンプを終えた後、沖縄での実戦モードに入るが、佐々木は1軍が島を離れるタイミングで2軍へ合流して、練り上げた育成計画のレールに乗せる。

 そのためにも指揮官は「朗希マニア」と化す。今月中には大船渡へ指名あいさつに出向くが、その際「(体は)どんな状態なのか聞いてみたい」と本人との面談に加え、大船渡・国保陽平監督にも「どんな高校生活を送ってきたか聞いてみたい」と3年間の育成方針も参考にし、1月の新人合同自主トレまでのメニューを渡す考えだ。

 「何十年に1人しかいない投手。球界の宝だし、マリーンズのエースになってほしい」とこの日も井口監督の口からは期待があふれた。ドラフト当日に「日本最速(165キロ)は超えられたら良いと思います」と語った佐々木。責任重大となる育成計画はすでに指揮官の頭の中にある。

 ◇主な高卒新人投手の1軍キャンプスタート
 ☆99年松坂大輔(西武) 入団発表前の12月に東尾監督が1軍を明言。キャンプ地の高知・春野の警備を増やした。初日は雨のため室内練習場となったが、報道陣200人が集結。

 ☆07年田中将大(楽天) 野村監督の強い意向で決定。1月31日に母校・駒大苫小牧の卒業試験があり、当日朝にキャンプ地・久米島入り。初日からブルペンで63球。

 ☆10年菊池雄星(西武) 指名あいさつ前から渡辺監督が「よほどのことがない限り連れていく」と断言。前日のキャンプ地・南郷入りの際は総額10万円のスーツ姿で気合。

 ☆13年藤浪晋太郎(阪神) 1月の新人合同自主トレを経て決定。平成以降のドラフトで高卒新人のメンバー入りは球団初。初日は気が散らないように異例の「1人ブルペン」の好待遇。

 ☆14年松井裕樹(楽天) 星野監督が「田中以来の金の卵」と話し、球団2人目の1軍帯同を決定。初日から正捕手・嶋を相手に35球を投げ、受けた嶋は「凄い球」と脱帽。

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