里崎 意地のサヨナラ弾 V争い食らいつく、延長11回今季1号

[ 2013年8月15日 06:00 ]

<ロ・楽>延長11回無死、右越えサヨナラ本塁打の里崎(左端)の生還を待ち構えるロッテナイン

パ・リーグ ロッテ6-5楽天

(8月14日 QVC)
 やっと貢献できた。地元ファンのコールに応える形で、ロッテ・里崎は帽子をスタンドに投げ入れた。延長11回。小山の1ストライクからの外角速球を右翼ポール際に運んだ今季1号。自身3年ぶり2度目のサヨナラアーチ。今季初めて、しびれた。

 「奇跡が起こったとしか言いようがない。今年は休んでばかり。何とかここから貢献していきたいと思っている」

 1点を追う6回、そして同点とした直後の8回の満塁機にともに三振。「読みも外れまくって(打撃が)小さくなっていた」という。だが、最後は頭を空っぽにした。

 1本の電話が折れそうな心を支えてくれた。6月28日のソフトバンク戦(QVCマリン)。本塁上のクロスプレーで負傷した。7月1日に検査を受け、「左第3肋骨骨折」との診断。里崎が伊東監督に電話を入れると「早く気づいてあげられなくて申し訳ない」との声が返ってきた。今季は右肩痛などで開幕から2軍調整が続き、1週間前の22日にようやく1軍初出場を果たした矢先のアクシデント。自ら「痛い」とは言えなかっただけに、その時から「監督を男にする」と決めた。

 先発マスクはまだ16試合。「いい意味で僕は相手を知らない。ウチの投手陣の前半戦も知らないから」。過去を埋めるのではなく、今を大切にする。マスク越しの打者の反応とその日の投手の状態を見て臨機応変にリード。この日も5回以降を無失点に導いた。

 今季最大タイの4点差をはね返しての逆転で3連勝。首位・楽天に連勝して4・5ゲーム差。3連勝すれば、一気に優勝争いに戻ってくる。

 「(延長サヨナラ勝ちした)開幕戦を思い出した。きょうの勝ちは大きい。あす(15日)も総力戦です」。今季23度目の逆転勝ちに指揮官も手応えを口にした。「逆転のロッテ」が戻ってきた。

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