イタリア・ピアザ監督、日本を「心から祝福」声援に「感謝そのもの」 大谷のバントは「本当に驚いた」

[ 2023年3月16日 23:11 ]

WBC準々決勝   イタリア3ー9日本 ( 2023年3月16日    東京D )

WBC準々決勝<日本・イタリア>試合後、ピアザ監督(左)と記念撮影する大谷(撮影・光山 貴大)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は16日、東京ドームで準々決勝1試合が行われ、日本とイタリアが対戦。イタリアは3―9で敗れ、初のベスト4進出はならなかった。マイク・ピアザ監督は試合後の会見で侍ジャパンを祝福するとともに、日本のファンからの声援に感謝の言葉を述べた。

 ピアザ監督の主な一問一答は以下の通り。

 ――試合を振り返って。
 「試合前にお伝えしたとおり、日本がどれだけ素晴らしいチームかわかっていたつもりだったが、我々のピッチングスタッフがなかなか思ったところに制球できず、結果、我々の思ったような展開にはならなかった。8四球くらい与えたわけですが、野球というスポーツで、日本のような強豪相手に8四球も与えてしまえば、勝てるチャンスはありません。タフな試合でした。リーグ戦では切り替えて明日またやっていこうと切り替えることができるけど、トーナメントですので、これで我々の道は絶たれた。日本が、今の私のホームタウン、マイアミで行われる準決勝に進むことを心から祝福したい」

 ――実際に対戦した日本について。
 「スカウンティングリポートを見ているけど、与四球、守備の失策はどれだけ研究しても防ぐことができない。これが野球の面白さ、要素と言える。ゲーム中盤、何とか取り返そうとしたけど、中盤での本塁打は非常に大きかった。それでも諦めずに我々はタフなスイングをした。敗戦の中でも光るものもあった。素晴らしい経験をしたし、次のWBCにつながる経験だった」

 ――大谷、今永、ダルビッシュから3点を奪った。
 「大谷はいい出来だったと思います。真っすぐも走っていましたし。我々もいい打者を揃えている。ただ、試合序盤に日本のような強豪相手にリードを与えてしまうと、ゲームの流れ以外に、運も傾いてしまう。何とか追いつこうとしたが、6回か7回のダブルプレーも痛かった。無駄な出塁を与えたり、守り切った後の攻撃で淡泊に終わってしまうなど流れをつかみきれなかった。日本のような強豪に逆転勝利はなかなか難しい。ただ、この敗戦からイタリアチームが学ぶものも多くあった」

 ――WBCがイタリアチームにもたらした意義。
 「イタリア野球全体、特にコーチ陣、協会の準備のたまものだった。選手の入れ替え、予定した選手が登録できないなど、細かな問題もあったけど、これが野球。素晴らしいロースターで臨むことができた。この結果がイタリア国内でプレーをする野球人にいい影響を与えたことは間違いない。旅をしたいからWBCに参加しているわけではない。勝利を重ね、このメンタルを保ちながら、チェコ、オランダ、ヨーロッパ全体の野球の普及に貢献したい」

 ――監督の名前が呼ばれて大歓声も起きた。日本での試合は。
 「本当に光栄な瞬間でした。町を歩いている時に気づいてくれる人もいた。日本のファンに覚えてもらえているという感謝の気持ちもあった。感謝そのものです。日本という国はいつも、私によくしてくれる。次は観光客として気楽な気持ちで日本に入ってきたい。非常に素晴らしい滞在でした」

 ――その他の苦労は。
 「国際試合のロースターの構成はいつも難しい。素晴らしい仲間、個性をもったタレントたちと戦えたことが素晴らしかった。球数制限などいつもと違うルールもあるけど、どの投手でどのアウトをとるか計算をしながらマネジメントした。瞬時にゲームのアプローチを変えなければならない。すべて準備万端な上で、プラン通りに試合を運べないと日本のような強豪に勝つのは難しいと改めて思った」

 ――大谷シフトの狙い。
 「私はスカウティングレポートや守備コーチの事を信用していた。あのバントは本当に驚いた。素晴らしい打者が、彼は投手でもあるから、あの打席は攻撃で貢献しようとしたのかもしれない。彼のような打者をアウトにするのは難しい。初回のセカンドライナーも素晴らしい打球だったが、我々の守備陣が良いプレーをした。大谷選手は我々の守備のことを瞬時に理解して、それにあらがおうとしたのかもしれません。素晴らしいプレーヤーです」

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