大谷翔平 執念の71球…5回途中2失点で降板 渡米後最速164・1キロ DHで出場継続

[ 2023年3月16日 20:55 ]

WBC準々決勝   日本-イタリア ( 2023年3月16日    東京D )

WBC準々決勝<日本・イタリア>初回、フレリクから三振を奪い、吠える大谷(撮影・光山 貴大)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は16日、準々決勝・日本-イタリアが行われ、大谷翔平投手(28=エンゼルス)は「3番・投手兼DH」で先発。5回途中で降板した。

 初回から気持ちを前面に押し出し、「オリャー!」と雄たけびを挙げながら、最速160キロを軸に無失点。エンゼルスの同僚、Da・フレッチャーの弟で3番のDo・フレッチャーに中前打を許したが、後続を断つと小さくガッツポーズを決めた。

 2回には5番・パスクアンティノに対し、164キロで空振り三振に仕留めるなど無失点に抑えた。164キロを計測した1球はデータ解析システム「スタットキャスト」で102・0マイル(約164・1キロ)を記録。渡米後最速となった。これまでのメジャーでの最速は21年3月21日のパドレスとのオープン戦で計測した101・9マイル(約164キロ)、公式戦では22年9月10日のアストロズ戦で計測した101・4マイル(約163・2キロ)だった。日本での最速は16年10月16日のCSファイナルステージ・ソフトバンク戦でマークした165キロ。

 3回は5球で3者凡退に仕留めると、その裏の攻撃では自らセーフティを仕掛けて先制点につなげるなど4点リードをもぎとった。直後の4回は、一、二塁とピンチを背負ったが、左翼・吉田の好捕もあって無失点で切り抜けた。

 5回は、2死満塁のピンチからDo・フレッチャーに右中間適時二塁打を浴び、2点を許して降板した。2番手には伊藤大海が登板し、後続を断った。大谷は準々決勝から増えた球数制限80球にあと8球と迫る71球を投じ、4回2/3を4安打2失点、5奪三振、3死球の内容。DHで出場を続けている。

 WBC初出場の大谷は、4連勝で1位突破を決めた1次ラウンドB組でMVPに選出された。投手ではチームの初陣だった9日の中国戦に先発して4回1安打無失点、5奪三振で勝利投手になり、打者では全4試合で打率・500(12打数6安打)、1本塁打、8打点。「チャンスで打席が回ってきていることに尽きる。下位打線や1、2番が一番重要な働きだった」と謙虚に語ったが、誰もが認める活躍を見せている。

 負ければ終わりの一発勝負。イタリアとはWBC初対戦となった。前日会見では、ロペス、パスクアンティノらメジャーリーガー8人がそろう相手に「かなり厳しい戦いになる」と警戒を強めていた。エンゼルスの同僚で仲の良いDa・フレッチャーが「大谷を打てる」と発言したことについては「お互いやってみれば分かる。僕は彼の打撃を見ているし、フレッチ(フレッチャー)も後ろで僕の投球を見ている。個人的にも楽しみ」と不敵に笑っていた。

 ◇侍ジャパン・WBCの軌跡◇
<1次ラウンド>
第1戦 8-1 中国
第2戦 13-4 韓国
第3戦 10-2 チェコ
第4戦 7-1 オーストラリア

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