侍・大谷「3番・投手兼DH」二刀流出陣 勝って行こうUSA!「楽しみ」日本“ラスト”登板

[ 2023年3月16日 05:05 ]

WBC準々決勝   日本-イタリア ( 2023年3月16日    東京D )

笑顔で練習を引き揚げる大谷(撮影・光山 貴大)
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 カーネクストWBC1次ラウンドB組を4連勝で1位突破した侍ジャパンは、16日にA組2位のイタリアとの準々決勝に臨む。負ければ終わりの一発勝負で5大会連続の4強入りを懸け、大谷翔平投手(28)が「3番・投手兼DH」で先発マウンドに上がる予定。1勝&打率・500、1本塁打、8打点でB組のMVPにも輝いた二刀流侍が、準決勝、決勝が開催される米国行きの切符をたぐり寄せる。

 分厚い胸板、丸太のような二の腕。積み重ねた努力は、全て侍ジャパンを世界一に導くためだ。負けたら終わりの準々決勝、イタリア戦。二刀流で臨む大谷は、素直な気持ちを言葉に乗せた。

 「プレッシャーがかかると思うけど、全員でつないで、最終的に一点でも多く取っていればいい」

 プロの世界では慣れない一発勝負に「3番・投手兼DH」で臨む。球数制限は1次ラウンドの65球から80球に増える。登板2日前の14日にブルペン入りし、この日は最大40メートルの距離でキャッチボール。ルーティンの「壁当て」を2度、行うなど入念に投球フォームも確認した。勝っても、負けても、日本でプレーする今大会最後の試合。「(6年ぶりの日本でのプレーは)僕自身も楽しみにしていたし、それ以上にファンの方々が楽しみにしてくれていた。勝利して(喜びを)共有したい」と力を込める。

 WBCで初対戦となるイタリアにはロペス、パスクアンティノらメジャーリーガー8人がそろい「かなり厳しい戦いになる」と警戒を強める。一方、エンゼルスの同僚で仲の良いDa・フレッチャーが「大谷を打てる」と発言したことについては「お互いやってみれば分かる。僕は彼の打撃を見ているし、フレッチ(フレッチャー)も後ろで僕の投球を見ている。個人的にも楽しみ」と不敵に笑う。

 4連勝で1位突破を決めた1次ラウンドB組でMVPに選出された。投手ではチームの初陣だった9日の中国戦に先発して4回1安打無失点、5奪三振で勝利投手になり、打者では全4試合で打率・500(12打数6安打)、1本塁打、8打点。「チャンスで打席が回ってきていることに尽きる。下位打線や1、2番が一番重要な働きだった」と謙虚に語ったが、誰もが認める活躍を見せている。

 14年前の09年。中学2年だった大谷少年は、侍ジャパンのWBC連覇に胸を躍らせた。花巻東に入学後、人生計画表の27歳の欄には「WBC日本代表MVP」と記した。計画表よりも1歳年を重ねたが、夢が実現する今大会のMVPも、手が届く位置にある。やることは変わらない。投打で躍動し、まずは米国行きの切符をもたらす。(柳原 直之)

 ≪今大会から準々決勝一発勝負≫WBCは第5回の今大会から準々決勝は一発勝負となる方式に変更された。06年の第1回から前回17年の第4回大会までは、1次ラウンド後に4チームによる2次ラウンドを行い、準決勝進出チームを決めていた。また、出場チーム数が16から20に増えたことで、1次ラウンドの参加チーム数が4から5に増えた。

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2023年3月16日のニュース