新井カープ粘っコイ! 末包&田村の若手猛アピール 指揮官手応え「反発力ついてきている」

[ 2023年3月16日 06:30 ]

オープン戦   広島7―8中日 ( 2023年3月15日    バンテリン )

<中・広>7回、末包の適時二塁打に、笑顔で手を叩く新井監督(左)(撮影・椎名 航)
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 広島の末包昇大外野手(26)が15日の中日戦(バンテリンドーム)で一時逆転となる2点打を放った。1点差に迫った7回、なおも2死一、二塁で三塁線を破る2点二塁打だ。救援陣の乱調で再逆転を許したものの、14日も2点劣勢から若い力で追い付くなど、粘り腰がキラリと光る今春。新井貴浩監督(46)も「反発力が徐々についてきている」と目を細めた。

 鬼門のバンテリンドームだからこそ価値がある。前日14日に2点劣勢を引き分けに持ち込めば、この日は2点劣勢からの大逆転。森浦の乱調が誤算でも、敵地で連日披露した粘りはキラリと光る。主役に躍り出たのは土俵際の末包で起死回生のアピールに成功だ。

 「正直、ラストチャンスぐらい意気込んでいったので結果が出て(良かったです)。明日(16日)以降にチャンスをもらえました」

 2点を追う7回2死から菊池、田中の長短打で1点を返し、なおも2死一、二塁で秋山の代打に指名された。カウント1―1からの3球目。左腕・砂田の内角低めカットボールを振り抜くと、打球は三塁線を破る逆転の2点二塁打となった。

 期待の大砲候補も、2年目の今春はくすぶっていた。この試合前まで対外8試合に出場し、16打数2安打。いずれもゴロの安打で、長打や適時打は一本もなかった。見かねた新井監督が「構えやスイングが小さくなっている」と実演指導したのは6日。ようやく成果が出た格好だ。

 「自分の中では感じが良かった。ただ、何度もチャンスをもらえるわけじゃない。いい状態で早く結果を出したかったので、1本出て良かったです」

 田村の対応力も特筆ものだ。途中出場した前日の8回に適時二塁打を放った19歳は、この日も8回1死満塁で代打に立ち、谷元から右前適時打。チェンジアップを2球空振りして追い込まれながらも粘り、8球目の低め直球を見事に捉えた。

 「追い込まれたのは落ちる系の球。それを早いカウントで見ることができたので、三振することはないと思って強気になれたというか。あとは真っすぐをしっかりはじき返そうという気持ちでした」

 投手に比べると、総じて伸び悩み感のあった若手野手。それが開幕の足音が聞こえ始めたこの時期になって、少しずつ成長した姿を披露しつつある。

 「末包は本人が一番うれしかったと思う。スイングに迷いがなくなってきているし、田村も全てを肥やしにして日々、成長していると感じるよね」

 新井監督は、開幕1軍生き残りを狙う若ゴイ2人を称えつつ「先制されても追い付き追い越す、反発力があるチームは強い。徐々に反発力がついてきていると思う」と手応えを強調していた。 

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