ドラフトは1390番目指名 イタリア代表のマイク・ピアザ監督はこんな人 WBCで侍ジャパンと対決

[ 2023年3月16日 07:35 ]

イタリア代表のピアザ監督
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 これもワールドワイドな規模になったWBCならではだろう。イタリア代表を率いる指揮官としてマイク・ピアザ監督が日本にやってきた。懐かしい。ダンディーな姿は当時とまるで変わっていない。

 初めて取材したのは95年。野茂英雄がドジャースに入団した年で、28年も前になる。フロリダ州ベロビーチでの春季キャンプ。こちらは入社4年目の駆け出し記者で、野茂の女房役ということで拙い英語を駆使して何度も話を聞きにいった。いつでも丁寧に答えてくれたのを覚えている。

 ある日、ピアザのフリー打撃の時に外野で球拾いをさせてもらったことがある。しかし「拾い」とは名ばかり。強烈な打球は次々と頭上を、そしてフェンスを越えていった。将来、殿堂入りする「打てる捕手」。93年には新人王に輝いており、スーパースターへと確固たる地位を築こうとしている時期だった。

 翌96年にはフィラデルフィアでのオールスターを取材した。ピアザの地元で、ナ・リーグ最多得票で選出されての凱旋出場。父・ビンスさんが見守る前で一発を含む2安打2打点と活躍し、見事MVPに輝いた。「信じられない。今日の夜のことは決して忘れない」。フィラデルフィアといえば映画「ロッキー」の舞台。主人公ロッキー・バルボアもピアザと同じイタリア系という設定で、大きな夢を実現させたのも同じだ。

 同年10月には日米野球の米国選抜チームの一員として来日。その実力に加え、「野茂の相棒」として日本での知名度は断トツだった。建設機械メーカー「コマツ」のCMにも出演。当時、野茂を除けば日本で最も有名な大リーガーだった。

 88年のドラフト62巡目(全体1390番目)でドジャースに入団し、そこからトップ選手にまで上り詰めたのは有名な話。最も低い指名順位で殿堂入りした選手でもある。通算427本塁打のうち、捕手として最多の396本塁打を放った。ドジャースタジアムのクラブハウス。試合後、ピアザが大好きなドラムをドコドコと叩いていた姿が忘れられない。侍ジャパンとの準々決勝。どんな采配を見せるのか、本当に楽しみだ。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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2023年3月16日のニュース