松坂大輔氏が占うイタリア戦 警戒すべきは「ヌートバー&近藤」級1、2番コンビ

[ 2023年3月16日 05:00 ]

WBC準々決勝   日本-イタリア ( 2023年3月16日    東京D )

本紙評論家・松坂大輔氏

 侍ジャパンは16日、5大会連続のベスト4進出を懸けて準々決勝のイタリア戦を迎える。世界一を連覇した06、09年大会にともに3勝を挙げてMVPに輝き、今大会でもテレビ朝日系列で解説を務める松坂大輔氏(42=本紙評論家)が、「負ければ終わり」となる運命の決戦の見どころ、注目ポイントなどを語った。

 いよいよ東京ドームでのラストゲーム。これまでのように、もしくはそれ以上に「しびれる」試合になるのは間違いないでしょう。イタリアは1次ラウンドでパナマ戦こそ零敗を喫しましたが、残り3試合は6、7、7点。4試合で0本塁打ながら、小技や足なども絡めてつないでくる打線は好調だと思います。

 侍ジャパンはヌートバー、近藤選手の1、2番コンビが打線をけん引。イタリアも同様に1、2番が活躍しています。ともに左打者で1番・フレリク選手は1次ラウンドで打率・389。オランダ戦で2番に入ったロペス選手は全4試合マルチ安打で打率・500、7打点です。この2人を出塁させないことが失点を防ぐことに直結しますが、侍ジャパンの先発は大谷投手。9日の中国戦のような投球なら、イタリア打線が攻略するのは極めて難しくなるでしょう。

 二刀流の大谷投手に期待されるのは、まずは投手として守りから攻撃のリズムをつくっていくということ。先に点を与えず、もしくは最少失点でゲームの流れをつくる。それに打線が応えるのがベストです。1次ラウンドでは好調な打者が多かった中で、村上選手が満足な結果を残せていません。欲しいのは「ここぞ」の場面での一打。本塁打なら最高ですが、形はどうあれ、誰もが打ってほしいと願うチャンスでの4番打者の一打。こちらも勝利へとつながる試合の流れをつくります。期待したいですね。

 イタリアというと自分も出場した04年アテネ五輪を思い出します。予選リーグの初戦で対戦。上原浩治投手が先発し、12―0で7回コールド勝ちしました。当時は正直、レベル的にそれほど高いとは感じませんでしたが、現在は比べものにならないチームになっていると思います。メジャー通算50勝のハービー投手に、大谷選手のエンゼルスの同僚Da・フレッチャー選手らメジャー組も多いです。

 一発勝負。確かに「負けたら終わり」の戦いに突入しますが、これまでも負けてもいい試合など一つもありませんでした。それは変わりません。選手は過剰に意識しすぎることなく、1次ラウンド同様に勝つための準備をしっかりとして、変わらぬ心構えで決戦に臨んでほしいと思います。(スポニチ本紙評論家)

 ▽04年アテネ五輪のイタリア戦 8月15日の予選リーグ初日に対戦。12―0で7回コールド勝ちした。先発の上原が6回4安打無失点。打線は初回に城島、中村の連続適時打で先制すると、3回に中村が右中間へ2ラン。4回には福留が中越えソロなど、13安打12得点と爆発した。一塁側ベンチには脳梗塞で倒れた長嶋監督の背番号3の代表ユニホームと、指揮官が書いた「3」が刻まれた日の丸を掲げて戦った。

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