岡崎真氏 坂本は質の高さが武器、新葉は自ら救った攻めの姿勢貫いて

[ 2022年2月17日 05:30 ]

練習する坂本花織(撮影・小海途 良幹)
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 【今日のツボ教えます フィギュアスケート女子フリー・岡崎真】ROC(ロシア・オリンピック委員会)勢の実力が抜きんでているという下馬評の中で、SPは坂本が3位につけ樋口が5位。フリー最終グループ6人に日本選手2人が入ったことは、改めて日本の実力を示してくれたと思う。

 坂本のSPは鳥肌ものだった。プログラムを構成する7つの要素全てでGOE(出来栄え評価)による加点を1点以上もらっており、昨季の世界選手権女王のシェルバコワを技術点では上回り、合計でも0・36点差につけた。フリーでも同様に、持ち味のダイナミックなジャンプを含めGOEによる加点を引き出せるかがポイントだろう。トリプルアクセル(3A)や4回転を持たないだけに、質の高さこそが武器となる。

 樋口は3回転―3回転のセカンドジャンプや、3回転フリップに軽微なミスがあり、得点そのものは伸ばしきれなかった。それでも5番手にいるのは、SPでただ一人成功させた3Aがあったから。団体戦は安全策で回避したが、攻めの姿勢が自らを救った。フリーもその攻めの姿勢を貫き、細かいミスを修正すれば結果はついてくるだろう。

 ワリエワの周辺が騒がしく、本人も精神的な疲れを口にしていたようだが、珍しく3Aにミスが出た。実際にはROC勢3人は全員が五輪初出場。緊張感は当然あるだろう。フリーで組み込んでくるとみられる4回転ジャンプは、失敗すれば10点前後が消えるリスクもある。勝負は最後まで分からないと思う。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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