坂本花織を4歳から支えた中野園子コーチ「神様がついてみてくれた」 4年後は「もっともっと上を」

[ 2022年2月18日 00:03 ]

北京五輪第14日・フィギュアスケート女子フリー ( 2022年2月17日    首都体育館 )

中野園子コーチ(右)と撮影する坂本花織(AP)
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 北京五輪フィギュアスケートの女子フリーが、17日に行われ、ショートプログラム(SP)3位の坂本花織(21=シメックス)は自己ベストの153・29点をマーク。ショート、フリーともに自己ベストで合計233・13点で銅メダルを獲得した。日本女子では、10年バンクーバー大会で銀メダルを獲得した浅田真央以来、4人目のメダル獲得となった。

 坂本は4歳でスケートを始めてから、ずっと中野園子コーチのもとで過ごしてきた。「中野先生は“辞書”。何が悪いか分からない時でも、聞いたら気づける。厳しめのママ」と話す。中野コーチは「しっかり神様がついてみてくれたね」と坂本に超えをかけた。そして坂本は「これまで以上に先生と強いハグをしました」と笑った。

 中野コーチは報道陣の取材に応じた。一問一答は以下の通り。

 ─―気持ちは。
 「想定していなかったので、こんなこともあるんだと。どっちかというとスピードがなかったので、上がってきた時には。花織ももう一回滑りたいと言いましたし、私もどうしてスピードを落としたのと言ったんですけど、全部をちゃんとやろうと思ったみたいで。2回とも、ショートを入れて3回ともジャンプを全部跳べたのは偉かったなと思います」

 ─―送り出す時の言葉は。
 「なんて言いましたっけね。いっぱい練習してきたから、自分を信じてやろうと言ったと思います。それからあったと思いますけど忘れました。興奮して」

 ──想定外とは。
 「トルソワの演技が終わった時点で、あと2人素晴らしい選手がいますし、ワリエワのそういうところを見たことがなかったので、必ずいつもパーフェクトの演技をする選手ですから、4位だなと思っていたので」

 ─―以前、坂本が運を持っていると言っていた。実力も見せたが。
 「運だと思います。ずっとあの子は運を持ってきているし、駄目な時はその時の方がいいとなっている。今回も神様を味方に付けたらいい演技ができるので、アップから神様が味方をしてくれるアップをしようと言ってやってきたので、味方してくれたと思う」

 ─―ワリエワのことがある中で、どのようにアプローチしたのか。
 「他の選手のことは一切気にしないで、とにかく自分のできること、花織にしかできないことを頑張ろうと言い続けてきた。他の人と競争する気持ちはなかったと思います」

 ─―4年間は戦いだった。
 「前の五輪は何も考えずに出て行って、いろいろ体調不良があって、終わってから波があったので、そこからもう一度五輪を本当に狙っていこうとするところまでが大変だった」

 ─―後半のジャンプをやめる決断。
 「決断したのは私ではなくて本人なので。まず本人がそれをちゃんとやってから、クアッドとアクセルに行きたいと言ったので、まず3回転で全部、今回の五輪はやりたいというのが本人の希望だった]

 ─―昨日の練習は良くなかった。
 「だいぶ疲れが出て、夜が寝られなかったみたいで。ショートが良くて興奮して寝られなかったみたいなので、生活リズムが狂ってしまったみたいで。ただ、昨日も朝はダメだったが、夜の練習は割と良かったので、ループ以外は。だから今朝も良くなかったが、夜はできるから大丈夫だよと言っていたので」

 ─―こっちに来て、団体メダルでほっとしていて手綱を締めたのか。
 「もちろん手綱を締めました。緩めたらどっかいってしまうので」

 ─―緩んだのは。
 「凄く団体メダルを意識していたので、自分が最後なのでちゃんと滑らないといけないと意識していたので、メダルをもらってほっとしてしまったと思う。何も言わなくても表情を見れば分かるので」

 ─―これから。
 「もっともっと上を、違う色を目指していってほしい。これでたぶん、難しいジャンプも練習すると思うので、それが入るようになれば、4年後は上を狙えると勝手に思っている」

 ─―運を引き込める理由は。
 「努力だと思います。常に一番努力をしていると思う。それが無駄に滑っている時もあるが、アップも一番先に、人よりも15分早いバスに乗りたいというところがあるので、少しでも努力をしたいというのは分かります」

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