スノボ銅・村瀬心椛 羽生遭遇に「やばい、本物だ」帰国したら「タコパしたい」等身大、17歳JKが心境

[ 2022年2月17日 05:30 ]

スノーボード女子ビッグエアで銅メダル獲得から一夜明け、記者会見後にポーズをとる村瀬
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 スノーボード・ビッグエアで冬季五輪日本女子最年少メダルとなる17歳100日で3位に入った村瀬心椛(ここも、17=ムラサキスポーツ)が16日、歓喜から一夜明けて会見に臨んだ。早くも4年後の26年ミラノ・コルティナダンペッツォ大会での頂点&妹で昨年の世界ジュニア覇者の由徠(ゆら、15)との姉妹同時出場を宣言。一方で17歳の女子高生らしい等身大の素顔ものぞかせた。

 冬のヒロインになっても、村瀬はありのままの高校2年生だった。快挙の実感を「メダルを首に下げているが重たい」とかみしめたが、どうやら自分が羨望(せんぼう)のまなざしを向けられている意識はない。大会中の思い出を問われると、「羽生結弦選手を(選手村で)ご飯に行く時に見かけて、“やばい、本物だ”と。やばかったです」と、まるでアイドルを目撃したかのように、興奮気味に振り返った。

 競技に目を向ければ、その視線は早くも4年後を捉える。決勝では2回目に高難度のバックサイド1080でビタ着して91・50点を叩き出したが、逆転金メダルへ3回目にトライした3回転半技は失敗。憧れのガサー(オーストリア)は今大会で唯一成功させて2連覇。「一緒に表彰台に上がれて夢のようだった」と語ったが、次回五輪へ「銅メダルでは終われない。一番てっぺんを目指して、一人ではなく妹と一緒に出たい」と宣言した。

 今大会では自身を含め、スノーボード勢で計3個のメダルを獲得。大きな話題となる中、国内の競技や練習環境は、決して恵まれているとは言えない。村瀬自身、幼少期から練習拠点にしていた岐阜県羽島市の屋内施設が、昨年11月いっぱいで廃業となり、「本当に悲しい」と残念がる。環境改善、そして後進育成のためにも「スキー場とかに小さめでもいいので、誰でも飛べるようなジャンプ台を置いてもらって楽しんでほしいと思う」と願いを語った。

 長かった海外転戦を終え、約3カ月ぶりに帰国する。「地元の空気を吸いたいし、妹や家族と一緒に、自分はたこ焼きが好きなので、タコパ(たこ焼きパーティー)をしたい。家族と普通に過ごせたら」と願った村瀬。ご褒美は「アイス、梅干し、イカの天ぷら」。雪上のパフォーマンスからは想像もできない、素朴な素顔に戻っていた。

 ▽選手村 五輪期間中に出場国の選手、役員が滞在する。宿泊施設、食堂、トレーニングルームのほか、ヘアサロンや遊戯施設などもある。新型コロナウイルス感染拡大以前の五輪では、選手間の交流を楽しむことができた。今大会の選手村は、主にスケートが行われる北京中心部と、アルペンスキーとそり競技を開催する北京北部延慶、ノルディックスキーなどの会場となる河北省張家口の3カ所に設けられている。北京中心部の選手村は約2000台のベッドを供給。大会後は公営住宅となる。延慶は約1500人、半数近い51種目が行われる張家口は約2800人が宿泊できる。

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