森敏氏 94年以来の表彰台へ前半飛躍首位が現実的な目標に ノルディック複合団体

[ 2022年2月17日 05:30 ]

渡部暁斗(AP)
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 【今日のツボ教えます ノルディックスキー複合団体・森敏】ノルディックスキー複合の最終種目となる団体戦は、17日に行われる。日本は15日の個人ラージヒルで3位となり3大会連続のメダルを獲得した渡部暁斗(33=北野建設)を中心に、金メダルだった94年リレハンメル大会以来の団体戦メダルを目指す。東海大スキー部ノルディック担当監督の森敏氏が占った。

 ラージヒル(LH)個人戦、日本の収穫は大きく2つあった。1つは渡部暁の前半飛躍だ。ノーマルヒル(NH)まで苦しんだ印象だったが、きっちり合わせてきたのはさすが。メダル獲得でチームに勢いも生み出した。そして、もう1つは山本の後半距離だ。タイムだけを見れば34位だが、集団の中できっちり走れており、不安はなくなった。標高1600メートル程度の中高地に、体も完全にフィットしてきたのだろう。

 団体戦の表彰台はノルウェー、ドイツ、オーストリアの“3強”を日本が追う展開とみている。鍵は前半飛躍。理想は首位に立つのが望ましい。渡部暁の復調に加え、山本はNHで首位、LHでも2位につけるなど絶好調で、2人は計算できる。さらに個人戦こそ飛距離を伸ばせなかったが、渡部善、永井も公式練習では全体10番目前後の飛距離をマークしている。風の状況にさえ恵まれれば、前半首位は現実的な目標となる。

 調子が上がってきた山本の走りに加え、後半距離で頼もしいのは、日本のスキーが非常に滑っていることだ。人工雪や低温など諸条件の下で、ワックスマンを含めたスタッフがいい仕事をしている。団体は1人の距離は5キロ。スキーが滑りさえすれば、実力者に食らいつくことは可能だ。今季W杯で距離のタイム1位も記録した渡部暁をアンカーとし、接戦に持ち込めれば楽しみだ。(ノルディック複合五輪2大会連続代表、東海大スキー部ノルディック担当監督)

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