ショートトラック菊池純礼 悲劇から笑顔の8位「何かしてやりたかった」5姉妹末っ子が入賞

[ 2022年2月17日 05:30 ]

北京五輪第13日 ショートトラック ( 2022年2月16日    首都体育館 )

ショートトラック女子1500メートル8~14位決定戦 滑走する菊池純礼
Photo By 共同

 ショートトラック女子の菊池純礼(26=富士急)が、笑顔の8位入賞を果たした。最終種目として臨んだ1500メートル。準決勝では、500メートル、1000メートルに続いてレース途中で転倒した。だが、救済措置があって出場することになった8~14位決定戦で鮮やかなフィニッシュを飾った。

 スタートから全員が状況をうかがう中、序盤から一気に大逃げの作戦に打って出る。ほかの選手を周回遅れにしながらレースを進めると、そのままゴールして1位。前日から考えていた“秘策”で8位に入った。

 「3種目、全部で転倒して悔しくて。足にも(疲労が)きていたけど、何もせず14位になるよりは、何かしてやりたい強い気持ちが自分にあった。楽しかったし、自分が一番、五輪を楽しんでやろうと思っていた」

 ショートトラック界では有名な菊池5姉妹の末っ子。4人の姉もスケートをしていたことから「本当に小さい頃から、背中におんぶしてリンクに連れて行っていた」と母・初恵さん(59)は振り返る。スケートを始めても、姉妹の全員を見なければいけない母は「うまい人の後ろについて滑ってみな」と言っていたのが原点だ。才能を伸ばし、18年平昌五輪に出場。結果は残せなかったが、実力を伸ばして4年後、日本女子のエースとして再び大舞台に臨んだ。

 「この機会にショートトラックを知ってもらった方もいると思う。“ルールが分からないよ”という人もいるかもしれないけど、皆さんに楽しいと思ってもらえるレースができるんじゃないかなと思います」

 そう振り返るとともに、自身の今後についても言及した。

 「次の4年間、どうするかも迷っているところと言うか…。とりあえず今は一回休んで、コーチたちと話し合って自分の気持ちに向き合いたい。例えば、コーチになるとかもこの2年間ぐらい考えてきた。いろんな方に相談しながら、自分の道を決めたい」

 以前はスピードスケートとの“二刀流”でも注目された菊池純。姉の三女・悠希は、予選敗退後に現役引退を表明した。さまざまな方向性を模索しながら、行く先を決断する。(西海 康平)

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