ノルディック複合団体日本、28年ぶり銅メダル 3強の牙城崩した!最終走者山本がラストスパートで抜いた

[ 2022年2月17日 20:51 ]

北京五輪第14日 ノルディック複合団体 ( 2022年2月17日    国家スキージャンプセンター )

ノルディック複合団体で28年ぶりとなる銅メダルを獲得し喜ぶ日本の選手たち(右)(ロイター)

 北京五輪ノルディックスキー複合団体が17日行われ、日本は渡部暁斗(33=北野建設)、渡部善斗(30=北野建設)、永井秀昭(38=岐阜日野自動車)、山本涼太(24=長野日野自動車)の4人が出場。前半飛躍を4位でトップのオーストリアと12秒差で、後半の距離(20キロ)へと臨み、金メダルに輝いた94年リレハンメル以来28年ぶりの銅メダルを獲得した。

 3強の牙城を崩した。前半飛躍で日本はトータル466・6点で、トップのオーストリアと12秒差、2位ノルウェーと4秒差、3位ドイツと1秒差の4位と好位置につけた。後半距離で、五輪は14年ソチ以降、世界選手権も17年大会以降、団体の表彰台を独占しているノルウェー、ドイツ、オーストリアの3強の背中を追った。

 1番手を任された渡部善は1秒差でスタートしたドイツの後ろをピタリと追走し、1周目は順位が変わらず4位。2周目にドイツがノルウェーを抜くと、渡部善も流れに乗って3位に浮上。トップを走るオーストリアの背中を捉え、1位グループで並走。そして会場に戻ってきたところで、オーストリアを抜いて2位に浮上して2番手・永井にバトンを繋いだ。

 永井は1周目で4位に順位を落としたものの、2周目も3強に離されず必死に食らいつく意地の走り。トップと4秒6差でエース渡部暁に託した。渡部暁は、すぐに3位へと上がると、仕掛けるタイミングを計るかのように前を走るノルウェーとオーストリアにプレッシャーをかけた。

 1周目を終えた直後、渡部暁はトップに立つ力走も、最後はトップのノルウェーに10秒4差の2位でラスト走者の山本へと繋いだ。山本はオーストリアと2位争いをしつつ、1周目を乗り切ったが、4位ドイツのガイガーが驚異的な走りで、20秒以上あったタイムを縮めてきた。それでも焦らず、リズムを崩さない走りでドイツ、オーストリアを追走する山本。そしてラストスパートでガイガーについていき、4位オーストリアを突き放して銅メダルをつかんだ。

 ◇渡部 暁斗(わたべ・あきと) 1988年(昭63)5月26日、長野県白馬村生まれの33歳。3歳からゲレンデスキーを始め、白馬北小4年からジャンプを始める。白馬中から本格的に複合を始め、白馬高、早大を経て、北野建設所属。五輪には白馬高2年時の06年トリノ、10年バンクーバー、14年ソチ、18年平昌から5大会連続出場。1メートル73、61キロ。

 ◇山本 涼太(やまもと・りょうた)1997年(平11)5月13日生まれ、長野県出身の24歳。長野県立飯山高校卒業後、早大へ進学し4年時には主将を務め、卒業後は長野日野自動車に所属。21年W杯ラハティ大会個人、団体スプリント3位、21年世界選手権団体、団体スプリント4位。1メートル67、52キロ。

 ◇渡部 善斗(わたべ・よしと)1991年(平3)10月4日、長野県白馬村生まれの30歳。白馬高、早大を経て、北野建設所属。兄の暁斗とともに14、18年五輪代表に。世界選手権は13年から5大会連続出場。W杯個人最高3位。1メートル71、60キロ。

 ◇永井 秀昭(ながい・ひであき)83年(昭58)9月5日、岩手県出身の38歳。盛岡南高、早大を経て岐阜日野自動車に所属。14、18年五輪代表。世界選手権は6度出場。1メートル70、63キロ。

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