渡部暁斗「この瞬間をみんなで共有できてうれしい」 日本のエースとして28年ぶり快挙導いた

[ 2022年2月17日 21:35 ]

北京五輪第14日 ノルディック複合団体 ( 2022年2月17日    国家スキージャンプセンター )

ノルディック複合団体で28年ぶりとなる銅メダルを獲得し喜ぶ日本の選手(ロイター)

 北京五輪ノルディックスキー複合団体が17日行われ、日本は渡部暁斗(33=北野建設)、渡部善斗(30=北野建設)、永井秀昭(38=岐阜日野自動車)、山本涼太(24=長野日野自動車)の4人が出場し、金メダルに輝いた94年リレハンメル以来28年ぶりの銅メダルを獲得した。

 前半飛躍で1番手を務める渡部暁は「勢いをつけることが大事。(日本は)他国に比べ、走力で劣るので、まずはジャンプで前に出ること」と話していたが、ノルウェー、ドイツ、オーストリアより上の順位を逃す僅差の4位だった。

 最終種目の団体戦について「これまで個人戦の気持ちが強かったが、年を重ね、後輩が増え、コンバインドの未来を考えるとチームとして獲得するメダルは大きな意味がある」と語り、94年リレハンメル以来の団体戦表彰台を目指した。

 前半飛躍後のインタビューで「任された順番でベストを尽くしたい」と語った渡部暁は後半距離に3番手で登場。永井から4位でバトンをもらうと、一時は首位に立つ快走を披露。最後は2位で最終走者の山本へとつないだ。ノルウェーが独走状態となる中、山本は2位グループで粘りの走り。最後のラストスパートでドイツ・ガイガーに食らいつく力走でオーストリアをかわし、7大会ぶりの銅メダルを獲得した。

 日本のエースとして28年ぶりの快挙に導いた渡部暁は「今日は僕はいいジャンプもできなかったし、クロカンも離されてタッチした。本当にいい働きができなかったが、チームのみんなに助けてもらった。最後『涼太、行け』っていう感じで託し、信じて待ってました」と仲間に感謝した。

 団体戦についての思いを聞かれると「団体戦のメダルはチームみんなで喜べて、個人で獲るよりも何倍もうれしさがある。この瞬間をみんなで共有できてうれしい」と喜んだ。また「こういう気持ちっていうのをチーム全体として、未来に対して本当にいいメダルだったなと思う」と振り返った。

 また渡部自身は個人ラージヒルの銅と合わせて今大会2個目のメダルで通算4個目のメダルとなり、冬季五輪日本勢ではスピードスケートの高木美帆に次ぐ単独2位となった。

 ◇渡部 暁斗(わたべ・あきと) 1988年(昭63)5月26日、長野県白馬村生まれの33歳。3歳からゲレンデスキーを始め、白馬北小4年からジャンプを始める。白馬中から本格的に複合を始め、白馬高、早大を経て、北野建設所属。五輪には白馬高2年時の06年トリノ、10年バンクーバー、14年ソチ、18年平昌から5大会連続出場。1メートル73、61キロ。

続きを表示

2022年2月17日のニュース