“北島2世”18歳の佐藤翔馬、本命の渡辺一平撃破で初V!五輪メダル候補名乗り

[ 2020年1月27日 05:30 ]

競泳 北島康介杯最終日 ( 2020年1月26日    東京辰巳国際水泳場 )

2位の渡辺一平(左)、3位の小日向一輝(右端)らと笑顔の佐藤翔馬(撮影・白鳥 佳樹)
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 男子200メートル平泳ぎは、18歳の佐藤翔馬(東京SC)が自己ベストを1秒以上も上回る2分7秒58の好タイムで初優勝した。19年世界選手権銅メダリストの渡辺一平(22=トヨタ自動車)との直接対決を制し、東京五輪のメダル候補に名乗りを上げた。代表選考を兼ねる日本選手権(4月1日開幕、東京アクアティクスセンター)で、渡辺の持つ日本記録更新も狙う。

 東京五輪まで半年を切った競泳界に、超新星が現れた。大会の大トリ、200メートル平泳ぎ決勝。伏兵の佐藤が第一人者の渡辺より0秒28速くフィニッシュ。水面を思い切り叩いて喜びを爆発させた。自己ベスト2分9秒21を大幅に上回るタイムに会場もどよめいた。「2秒近くベストが出たので、実感が湧かない」。謙虚に語りながら「目標は日本選手権で代表になって、五輪でメダルを獲ること」と野望も披露した。

 昨年8月の世界ジュニア選手権で銀メダル。天性のバネを生かしたキックは、“北島2世”の呼び声も高い。日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは「北島康介の後継者になるかもしれない。キックが強いのが似ている」と太鼓判を押した。くしくも、北島氏は東京SCの大先輩。何度も映像を見た平泳ぎ五輪2種目連覇のレジェンドから「4月まで気を抜かずに頑張って」とレース後に助言も受けた。

 東京都心の港区生まれ、港区育ちの18歳。慶応幼稚舎からエスカレーター式に慶大へ進学し、現在は商学部1年。初めて泳いだのは0歳という。医者の父・新平さんがヨットに乗せるため、溺れてはいけないと水に漬からせたのがきっかけ。1日目の100メートル平泳ぎは、大学の試験のためエントリーしなかった。調整が難しい中、好タイムを叩き出した。

 一発勝負で最大2枠の五輪代表を決める日本選手権まで、2カ月余り。「一平選手に勝って、代表を決めたい。6秒前半を出すつもりでいく」。目指すは、渡辺の持つ2分6秒67の日本記録更新。平泳ぎの主役交代へ、宣戦布告してみせた。

《北島康介氏と同じ東京SC所属》

 ☆生まれとサイズ 2001年(平13)2月8日生まれ、東京都港区出身の18歳。1メートル77、74キロ。

 ☆競技歴 0歳からプールに入り、小学3年時に同級生が多く所属していた東京SC入り。憧れは同クラブの先輩・北島康介氏で「遠い存在を超えられるように努力している」。

 ☆特長 持ち味はキックの推進力。「キックに手を合わせることを意識」。高校1年から指導する西条コーチは「バネがある選手。長所を伸ばした」。年末年始は2年連続で韓国・済州島で泳ぎ込んだ。

 ☆他競技 小学校に水泳部がないため野球部で一塁手。陸上競技、サッカーもこなし、中学入学と同時に競泳に絞った。

 ☆自己記録 11歳で出場した200メートル平泳ぎの初レースは2分47秒55。17年時点までのベストは2分13秒22だったが、昨年、2分9秒21まで大幅更新した。

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