松田瑞生 日本歴代6位2時間21分47秒で優勝 女子マラソンラスト1枠前進「五輪行くでー!」

[ 2020年1月27日 05:30 ]

東京五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ第2戦 大阪国際女子マラソン ( 2020年1月26日    大阪市・ヤンマースタジアム長居発着 )

母・明美さんと喜びを分かち合う松田(撮影・大森 寛明)
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 松田瑞生(24=ダイハツ)が日本歴代6位の2時間21分47秒で、2年ぶり2度目の栄光をつかんだ。東京五輪代表の「残り1枠」の条件となる設定記録2時間22分22秒を大幅に上回り、大舞台出場へ前進。2時間22分を切ったことで日本実業団陸上競技連合から賞金1000万円が贈呈される。昨年9月のMGC3位で五輪代表に可能性を残していた小原怜(29=天満屋)は、2時間28分12秒の13位で「3人目」から脱落した。

 大会前はトークで、レースが始まれば走りで、松田の独断場だった。高速レースを引っ張り、五輪切符を争う福士、小原を20キロまでに脱落させた。自己記録が2分近く速いアフリカ勢も蹴落とし、31キロからは独り旅。苦しい終盤は地元大阪の声援が耳に入った。

 「“東京五輪、五輪”って言われたんで行くでー!と思って走った。最高に気持ちよかったです」

 途中まで2時間19分台が視野に入るペースに、実は「(ペースメーカーに)落としてと思っていた」と打ち明けたものの、「陸上人生で一番」という合宿41日間で1300キロを走った自信が支えになった。「走ってナンボの世界。速くなるには今までより練習しないといけない」。1日平均31キロの練習量が、日本歴代6位、2時間21分47秒を生み出した。

 本命に推された昨年9月のMGCは4位。「これ以上何をしていいのか」と落ち込んだ。次女を見かねた母・明美さんはハッパをかけた。「再起不能違うやん。とことんやってだめなら、『消えた天才』に出たらええやん」。以前の人気テレビ番組を引き合いに出したのは、「本当はガラスのハート。だから、あえてちゃかす」という愛情表現だった。

 働いたお金で高校時代にジムに通わせてくれた姉・友里さん(26)は自転車でランニングに付き合ってくれた。実家は、18年に初マラソン初Vをした今大会の会場近郊にある。試合のコースも走った。「またがんばろうと思えた」。家族の愛情で心がよみがえった。

 高地合宿地を変更したことが、変身の一因だと山中美和子監督(41)は見ている。MGCは標高2100メートルの米国フラッグスタッフ。今回は約500メートル低い同アルバカーキに戻した。「標高が高い分、知らない間に疲労が蓄積して、それが抜けきれなかった」。娘のために鍼灸(しんきゅう)師の資格を取り、体のケアをしてきた母は「今回は腹筋がライオンの顔のように割れていた」と絶好調を感じていた。

 3月の名古屋ウィメンズでこの好記録を超えられなければ、代表に決まる。後続にかなりの重圧をかけた。「もし切符を手にできれば、自信を持ってスタートに立てるようにしたい」。世界を感じさせる力強い走り、底抜けに明るい性格。今夏に見たいと思わせる選手であることは間違いない。

 《青学大ばり「お寿司大作戦」》
 ☆生年月日と名前の由来 1995年(平7)5月31日生まれ、大阪市出身の24歳。瑞々(みずみず)しく生きるという願いと画数に恵まれていたことから名付けられた。1メートル58、46キロ。

 ☆スポーツ歴 小学校はバスケットと柔道。中学1年から陸上を始める。

 ☆エース 大阪薫英女学院では3年連続で全国都道府県駅伝に出場。2年時に区間賞を獲得するなど、大活躍。

 ☆ラストスパートの女王 17、18年の日本選手権女子1万メートルを連覇。強烈な追い込みを必勝パターンとしていた。

 ☆調子のバロメーター 鍛え上げた腹筋の割れ具合で、走りの調子を判断。へそを出したユニホームで走ることが多く、付いたニックネームは「腹筋女王」。今回は冬場のため、「寒すぎ。おなか出して走ったら死ぬ」と断念。

 ☆お寿司大作戦 うそかまことか、試合前のモチベーションは「レース後に食べるもの」。これまでケーキやお寿司をニンジンに奮闘。今回は「お寿司大作戦でいきます」と宣言していた。

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