橋下徹氏 賃上げに向けた“日本型の職務給”導入に「賛成」も懸念は「解雇に繋がりやすい」

[ 2023年1月27日 11:21 ]

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏
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 元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(53)が27日、読売テレビ「朝生ワイドす・またん!Zip!」(月~金曜前5・10)に生出演。日本の賃金について言及した。

 岸田文雄首相が23日の施政方針演説で、賃上げが持続する社会に向けて「従来の年功賃金から、職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される日本型の職務給へ移行することが企業の成長のため急務」と発言。そして「6月までに日本企業にあった職務給の導入方法を類型化し、モデルをお示しします」とした。

 橋下氏は「導入方法を示すということですから、それを企業が受け入れるかどうか、民間企業の判断」とした上で「僕は職務給は賛成。政府が旗を振ることで民間がそういう動きになれば僕はいいと思います」とした。ただ、「職務給はもう一つの重大なポイントを認識しないといけないのは、解雇に繋がりやすい。職務給になると、その職務に応じて給料を払う。その人のその職務に応じてるから雇うということになるから、職務からその人物がふさわしくないとなれば、どこかに異動するとか、ないしはその企業を辞めてもらう。他の職務には移さないということも考えられるから、岸田さんはそこまで考えているのかなってのはある。解雇とかが抜きの職務給ってなかなか難しいですよね」と職務給を導入すれば、解雇のリスクも高まるのではと懸念を口にした。

 そして「職務給は一つの会社にとどまらない。職務を中心に考えるから、例えばアナウンサーだったら他の局にどんどんアナウンサーという職で移っていきながら給料が上がっていくってのが職務給」とアナウンサーならば局アナでなく、フリーアナウンサーのようになると言及。「職務給はそれぞれの職務を中心に考える。年功賃金は会社を前提に考えるから、その会社の中にとどまって年齢が上がることで賃金も上がっていく。どっちを取るかですよ」とした。続けて「職務給は職が中心だから、例えばアナウンサーという職ならば、読売テレビでも営業や人事に行くと考えずにアナウンサーとして適性がないと思われれば、“読売テレビから去ってね”って話にもつながっていくところを日本型にするってことだから、一つの会社にとどまることを前提に職務給というのは岸田さんらしい」と解雇なしの日本型の職務給の導入はいかにも岸田総理っぽいと指摘した。

 橋下氏は会社を移る、すなわち転職について「僕らの世代は、ん?て感じだけど、今はそうでもない。だから、どんどん移っていかないと、空きが出ないからまた移れないっていうね。だから、流動化させて皆で会社をぐるぐる回っていく世の中にしていくかどうかですよね」と若い世代は転職に抵抗感が少ないとし「今、会社で勤めてポストがある人は年功賃金がいいと思ってるかもしれない。けど、(職務給型の)アメリカなんかは優秀な人材が“他の会社に行くぞ”ってなった時に経営側が“待って下さい。賃金上げるから”って上がっていくんですよ」と指摘。「皆さん一回、“読売テレビ辞めて、MBS行く”とか言ってみたら?」と言って笑った。

 その上で改めて「強制はできないですけど、一つの方向性、こういうやり方もあるよって示すことは賛成」と日本型の職務給の導入に前向きな意見を述べた。

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2023年1月27日のニュース