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「日本沈没」東山総理イス蹴りまで描く理由 チーフ演出“リーダーの苦渋”に重点 第2話は天海謹慎

[ 2021年10月17日 08:00 ]

日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」第1話。思わずイスを蹴り飛ばす東山総理(仲村トオル)(C)TBS
Photo By 提供写真

 俳優の小栗旬(38)が主演を務めるTBS日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」(日曜後9・00)が早くも話題。初回(10月10日)はオンエア中からツイッターの国内トレンド1位と反響を呼び、平均世帯視聴率も15・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進した。現在の日本が抱える諸問題にリンクする題材を、いかにエンターテインメント作品に昇華するか。チーフ演出の平野俊一監督(49)に撮影のポイントを聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 小栗が2010年10月期「獣医ドリトル」以来11年ぶりに同局の看板枠・日曜劇場に主演。1973年に刊行された小松左京による不朽の同名名作SF小説を原作に、当時も扱われた題材「環境問題」を2021年バージョンとして鮮明に描く。原作に大きくアレンジを加え、舞台は2023年の東京。国家の危機に瀕してなお、一筋の希望の光を見いだそうとひた走る究極の人間ドラマがオリジナルのキャラクター&ストーリーとして展開される。

 脚本は「華麗なる一族」「獣医ドリトル」「LEADERS リーダーズ」などの橋本裕志氏。チーフ演出は「インハンド」「ノーサイド・ゲーム」「TOKYO MER~走る緊急救命室~」などの平野監督。撮影は今年春に終了した。

 今作の演出にあたり、平野監督は「リアルとエンターテインメントの塩梅(あんばい)が非常に難しい題材。撮影中も最後まで、編集している今も、そのバランスに悩んでいます」。東仲恵吾プロデューサーと話し合いを重ね「エンタメとして何を一番打ち出していけばいいか考えた時、ポスタービジュアルのキャッチコピー『信じられるリーダーはいるか。』にもある、リーダーというものをどう描くかに行き着きました。日本が未曾有の危機に陥った時のリーダーシップの描き方で、爽快感やカタルシス、あるいは感動を生み出すことができれば、この難しい題材でも視聴者の皆さんに共感していただけるんじゃないか」と方針が固まった。

 「今回、リアルとエンタメの狭間で大事になるのが『リーダー像』、田所博士の関東沈没説にとどまらない『環境問題に対する地球規模の広い視野』、危機のさなかで人と人がどうぶつかり、助け合っていくかという『人間ドラマ』。この3つを大きな柱に撮影していこうと、キャスト・スタッフと何度もディスカッションをして共有しました」

 “リーダーの苦渋”に重点を置き、その象徴的なシーンとなったのが初回、東山総理(仲村トオル)のイス蹴り。週刊誌「サンデー毎朝」の記者・椎名実梨(杏)が、田所博士(香川照之)の研究を支援し、環境ビジネス詐欺の疑いがある企業「Dプランズ」と環境省の癒着疑惑をスクープ。政府批判のデモ活動が激しくなり、里城副総理(石橋蓮司)は「こんなデマで株価にまで影響が出てる。我が党の支持基盤である不動産・ゼネコン関係もいい迷惑だ。余計な改革を提案する前に、くだらないデマで足元をすくわれないよう、徹底すべきでしょう!」と東山にプレッシャー。総理官邸の執務室に戻った東山は目の前のイスを蹴り飛ばし、勢い余って床に転がる。

 台本上、蹴るのはゴミ箱だったが「東山の動線を考えると、目の前のイスが自然だったので。ただ、こういう姿を表に出すと、総理にしては器が小さく見えないか、脚本の橋本さんをはじめスタッフの間で議論になりました。リーダーを描こうとすると、ともすれば、カッコよくなりがちですが、今回はリーダーの苦しみや人間の醜さも恥ずかしげもなくむき出しにしていった方が、視聴者の皆さんにも天海や東山たちを応援していただき、愛していただけるんじゃないかと。キャラクターの振り幅も大きくなるので、リーダーたちの人間としての生々しさ、そのぶつかり合いを意識的に演出しました」

 17日に放送される第2話も15分拡大。天海は環境省で謹慎処分になり、日本未来推進会議でも窮地に立たされる。「関東沈没に関する検証報告」の結論に異を唱えた初回のような、天海の“逆転の一手”が注目される。

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