阪神・才木 トミー・ジョン手術“仲間”の兄に感謝のプロ初完封 次回は9回でのリベンジ希望!

[ 2022年9月2日 06:30 ]

セ・リーグ   阪神8-0広島 ( 2022年9月1日    甲子園 )

<神・広>コールドゲームとなって勝利投手となり、手を振る才木(撮影・坂田 高浩) 
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 ホームベース手前で急降下する“魔球”に広島打線は空転し続けた。才木が、フォークを武器に自己最多タイとなる9奪三振で6回3安打無失点の快投。6回裏に代打を告げられたが、同回で降雨コールドゲームとなり、幸運な形でプロ初完封を記録した。

 「三振もほぼフォークで取れていましたし、自分のスタイル的にはすごく楽に投げられた。真っすぐが効いている上でフォークがしっかり同じ軌道に乗って落ちているから、振ってくれるのかなと」

 会心のアウトを6回に奪った。無死一塁で迎えたのは西川。第1打席は直球、第2打席はフォークで空振り三振に斬っていた。「初球、しっかり振ってくる。安直に真っすぐをいくより、変化をつけて。自分も初球から頭にあったんで梅野さんからサインが出て“よしよし”と」。バッテリーの意図が合致した初球フォークで一ゴロ併殺。ピンチの芽を摘み取り「最高の形でアウトを取れた」と力強くうなずいた。

 右肘痛に苦しみ、20年11月に受けたトミー・ジョン手術。「大谷さん、ダルビッシュさんも手術していて、どれぐらいで復帰されてるのかは調べたりしましたね」と復帰のイメージを膨らませたが、実は、身近なところに“仲間”もいた。

 3歳上の兄・智史さんは上武大で野球部に所属し、島田と同学年。大学卒業後に同じ右肘のトミー・ジョン手術を経験していた。「兄弟トミー・ジョンは本当にびっくりしました。兄からは“術後に私生活で影響が出ないまでに半年かかった”とか、いろいろしんどかったという話も聞きましたね」。復活した姿を、同じ痛みも経験した兄に快投という形で届けている。

 5試合連続のクオリティースタートで4勝目をマーク。それでも6回シャットアウトの“参考記録”には苦笑いを浮かべた。

 「近本さんには“記録は完封やからええやん”と言われたんですけど。自分の中ではしっかり9イニング0に抑えられるように」

 背番号35には、まだまだ目指す高みがある。 (遠藤 礼)

 【データ】○…才木(神)が6回無失点でプロ初完投、完封を記録。阪神で9回未満の完封は、95年8月30日広島戦で郭李建夫が5回無失点でマークして以来27年ぶり。代打を送られた投手が完封を記録した例としては、11年4月27日横浜戦の山内壮馬(中)がある。この時も6回裏に代打を送られ、攻撃中に降雨コールドとなっていた。

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