自力CS消滅の広島、大瀬良が悪い流れ断ち切る「とにかくチームの勝利のためにやる」先発へ気合

[ 2022年9月2日 04:45 ]

セ・リーグ   広島0-8阪神 ( 2022年9月1日    甲子園 )

<神・広>5回 2死一塁 ロハスに適時二塁打を打たれた野村(中央) (撮影・成瀬 徹)
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 広島は1日、阪神戦に敗れて今季10度目の同一カード3戦全敗を喫し自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅した。今季最多を更新する借金9に膨らみ、5位に再転落。本拠地で負の流れを止めたい、2日のDeNA戦には大瀬良大地投手(31)が先発する。再調整で2軍に降格して以降、実戦登板を経ずに迎える21日ぶり復帰戦。土俵際に追い込まれたチームを救うマウンドに向かう。

 Aクラスを死守する阪神と、そこに踏みとどまれない広島との間には明確な地力の差があった。3連戦で2度の零敗。佐々岡監督は「毎日、一戦一戦やるだけです」と言葉を振り絞るしかなかった。

 今回のカードで突きつけられたのは、投手力の差だった。救援防御率リーグ断トツの阪神とは対照的に、広島は1、2戦目の敗戦投手が救援陣だったように、接戦を勝ち切る力がなかった。弱点を補うために先発の責任が増している状況ながら、前夜は九里が4回途中、この日の野村は5回で降板。指揮官は「(野村は)5回までに100球を投げるようでは、そこまでしか投げられない」と苦言を呈したように、勝ち継投の「矢崎―栗林」につなぐまでの道のりが、あまりに遠かった。

 大瀬良の先発起用は、チームの流れを変えるために残された最後の一手と言える。大瀬良は、7月1日の巨人戦で挙げた白星を最後に6試合連続未勝利。8月12日の巨人戦で3回5失点で降板し、翌13日に出場選手登録を抹消された。2軍で過ごした20日間で実戦登板はなく、3度のブルペン投球で調整。体のケアだけでなく、強度の高いトレーニングにも重点を置いて追い込んできた。

 「1軍に呼ばれたということは必要とされていると感じる。調整する時間をもらい、できる限りのことはやってきた。コンディションを上げて、フォームも修正した。あとはチームが勝つために何とかいい投球をしたい」

 リーグ3位に浮上する可能性のあった直接対決3連戦に完敗し、阪神とは4・5ゲーム差に離された。逆転でのCS進出は奇跡の域に入っても、大瀬良は、再会するナインに諦めない姿勢を示すつもりだ。「とにかくチームの勝利のためにやる。この時期になれば、個人のことよりもチームが相手よりも1点でも上回る戦いをするだけ。そのために1軍に呼ばれたのだと思う」。先発予定の2日の相手は昨季から自身7連勝中のDeNA。残り19試合を実りある戦いにできるかは、大瀬良の投球内容にかかっている。 (河合 洋介)

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