エンゼルス・大谷「凄くいいホームラン」日本人初2年連続30号 史上初「10勝&30発」とダブル達成

[ 2022年9月2日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス3―2ヤンキース ( 2022年8月31日    アナハイム )

<エンゼルス・ヤンキース>6回、30号逆転3ランを放ち雄叫びを上げる大谷(AP)
Photo By AP

 またも歴史を塗り替えた。エンゼルス・大谷翔平投手(28)が8月31日(日本時間1日)、ヤンキース戦の6回に30号逆転3ラン。この3連戦2度目の決勝弾で、チームを勝利に導いた。2年連続30号は日本選手初で、「10勝&30発」はメジャー史上初の快挙。ヤ軍のアーロン・ジャッジ外野手(30)との激しいMVP争いをモチベーションに、大谷は残り31試合も突き進む。

 時差があり、すでに深夜になっている米東海岸に向かい、実況アナが絶叫した。「オハヨウゴザイマ~ス、ニューヨーク!」。目が覚める。思わずベッドから飛び起きてしまうような、大谷の豪快すぎる打球だった。

 「最初の打席も惜しかった。チャンスが来たらもう1回打ちたい、と。凄くいいホームランだった」

 初回1死一塁では中堅への大飛球も、ヤ軍ヒックスにフェンス際で好捕された。だが、迎えた0―2の6回1死一、二塁だ。水原一平通訳に背中を両手で叩かれ、気合満点で臨んだ打席。剛腕・コールの97・9マイル(約157・5キロ)の直球を粉砕し、糸を引くような打球が中堅へと一直線に伸びる。30号逆転3ラン。一塁塁上でガッツポーズし、雄叫びを上げた。通算123本塁打で最も速い球を捉えた一発となった。

 同一シーズンの「10勝&30発」は大リーグ史上初。「単純にうれしい。安定してしっかり出続けられているのがいいところかな、と思う」と素直に喜んだ。ベンチに戻るとアデルらから紙コップの水をかけられる「リアルスプラッシュ」。過去2度はコップが空の「エアスプラッシュ」だったが、初めての祝福の儀式に驚きつつも、うれしそうだった。

 「(MVP争いは)もちろんモチベーションになる。今日のいい場面で打てたのもそうだけど、勝ちを意識して頑張ればおのずと数字はついてくるかなと思う」。チームのプレーオフ出場は絶望的。そんな中で大きな刺激を受けた3連戦だった。相手の主砲ジャッジはMVP争いの最右翼で、1、2戦目に連発し51本塁打。大谷が追いかける形となっているが「単純に凄いなと思って見ている。もちろん本塁打も凄いけど、今日も四球を取ったり打席のクオリティーが高い。見ているだけで勉強になる。素晴らしい打者」とライバルの存在を力に変える。

 今夏のトレード期限前には、ヤ軍も大谷獲得へ動いたことが米メディアで報じられた。17年オフのメジャー移籍時にも獲得に乗り出したヤ軍。去就が再燃することが必至の今オフに向け、再び強烈なインパクトをヤ軍に与えたと言ってもいい。8月は月別で今季最多の8本塁打。「ペース的には昨年ほどではないが、打席の内容は最近もいい」。残り31試合。全米を、そして日本を目覚めさせるショータイムはまだ、続く。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪史上初2年連続 100奪三振&30本塁打≫大谷による同一シーズンでの10勝&30本塁打達成は大リーグ史上初。2桁勝利&2桁本塁打は他に1918年のベーブ・ルース(レッドソックス=13勝&11本塁打)しかおらず、19年のルースは9勝&29本塁打だった。大谷は投手として昨季が156奪三振、今季が176奪三振。投手として2年連続100奪三振をマークし、同時に2年連続30本塁打は大リーグ史上初となった。大谷が30号3ランとしたコールの直球97.9マイル(約157.5キロ)は、米移籍後に本塁打を放った球で最速。過去の最速は今年の6月25日のマリナーズ戦でのジルベルトから16号ソロを放った際の96.8マイル(約155.8キロ)。

続きを表示

2022年9月2日のニュース