「なめられてるな」サヨナラ打の中日・土田 立浪監督の助言を劇打に結び付け、球団68年ぶりの快挙に

[ 2022年8月20日 04:45 ]

セ・リーグ   中日4―3ヤクルト ( 2022年8月19日    バンテリンD )

<中・ヤ>9回、土田はサヨナラ適時打を放ち、阿部(右)から手荒い祝福を受ける(撮影・椎名 航)
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 中日は3―3の9回無死満塁から、2年目の土田が右前打を放ち今季6度目のサヨナラ勝ち。53歳を迎えた立浪監督に最高のプレゼントを贈った19歳は「(満塁策を取られ)なめられてるな、絶対やり返してやろうと思った。立浪監督は小さい頃からのあこがれの選手でもあるし、一つの目標でもある。誕生日を勝利で祝えて良かった」と笑った。

 指揮官の助言が土壇場で生きた。打席に入る前に立浪監督から「6割ぐらいでしっかりコンタクトしろ」とささやかれた。2ボールになり3球目を強振してファウルになった時に、ベンチの指揮官から再び声が飛んだ。普段は怖いものなしの19歳も「膝ががくがくしていた」というが、もう一度頭を整理して打席に入った。2―2から清水が投じた6球目のフォークを軽くミートして一、二塁間に転がし、球団では68年ぶりの10代選手のサヨナラ打を放った。

 母校・近江の甲子園4強進出も刺激になっている。2学年下の後輩に「頑張ってますね。優勝目指して頑張ってほしい」とエールを送った。

 同じ遊撃手として期待をかける立浪監督も秘蔵っ子の活躍を「苦しい戦いが続いているが、一つの勝ちは大きいし、チームの力に変えていきたい。今日は土田が打ったということでなおさら良い日になった」と喜んだ。(中澤 智晴)

 ◇土田 龍空(つちだ・りゅうく)2002年(平14)12月30日生まれ、滋賀県米原市出身の19歳。米原小2年時に米原スポーツ少年団で野球を始め、近江では1年夏からベンチ入りし、18年夏、19年夏の甲子園に出場。20年夏の代替大会も優勝し、高校通算30本塁打。20年ドラフト3位で中日入り。50メートル走6秒0。1メートル80、77キロ。右投げ左打ち。

 《球団年少2番目の劇打》19歳7カ月の土田(中)がプロ初のサヨナラ打。10代選手のサヨナラ安打は、19年8月12日DeNA戦で村上(ヤ=19歳6カ月)がサヨナラ本塁打を打って以来プロ野球38人目、42本目。中日では、37年7月3日金鯱戦で田中実(19歳11カ月=二塁打)、54年10月10日巨人戦で岡嶋博治(19歳5カ月=三塁打)が打って以来68年ぶり3人目で、岡嶋に次ぐ2番目の年少記録になった。

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