仙台育英 145キロ超5人衆総動員!須江監督「粘り強く戦い、我慢比べで抜け出したい」

[ 2022年8月20日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権第13日・準決勝   仙台育英―聖光学院 ( 2022年8月20日    甲子園 )

練習で汗を流す仙台育英の古川(左から2人目)ら(撮影・岸 良祐)
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 20日に準決勝を迎える。19日に今大会2度目の休養日を迎え、4強に進出した各校は練習を行った。聖光学院(福島)と準決勝で初の東北勢対決に挑む仙台育英(宮城)は、いずれも最速145キロを超える5投手が鍵を握る。下関国際(山口)、近江(滋賀)との全4校が春夏を通じて優勝未経験校で初制覇が懸かる。下関国際以外の3校は県勢としても春夏通じて初優勝に挑む。

 聖地と同じ浜風が吹く。甲子園から約4キロの距離にある鳴尾浜臨海野球場。仙台育英ナインはリラックスした表情でフリー打撃、ブルペン投球など約2時間、汗を流した。春夏通じて優勝のない東北勢の決勝進出が決まる大一番。須江航監督は、自然体を強調した。

 「日本一はまだまだ遠い。白河の関なんてかすかにも見ていない。明日が日本一に近づく試合とは良い意味で思っていない。“甲子園の1試合”という感覚です」

 準決勝は聖光学院との東北勢対決。「白河の関」越えへの挑戦権を争う。両校は車で約1時間ほどの距離に位置し、練習試合も定期的に実施。冬の雪や寒さというハンデを背負う東北では指導者同士の結びつきも強く、練習方法などの情報交換も行う。相手は横浜(神奈川)、日大三(西東京)など強豪を破り過去最高成績の8強の壁を乗り越え、勢いに乗る。指揮官は「ベスト4の中で一番の実力校。粘り強く戦い、我慢比べで抜け出したい」と接戦を覚悟する。

 投手起用が勝利への鍵だ。3回戦までは相手校のタイプに合わせて先発投手を選択。2回戦は5投手、3回戦は4投手、準々決勝は2投手と変幻自在の継投で相手に狙いを絞らせなかった。エース左腕・古川翼(3年)、2年生ながら今大会で自己最速147キロをマークした成長株の左腕・仁田陽翔(はると)ら5人の投手全員が最速145キロを超える。「最強クインテット」は3戦でわずか6失点。須江監督は「頼もしい限り。主導権を握れるような起用になると思います」と見据える。

 準決勝は89年夏、01年春、15年夏の3戦3勝とデータも後押しする。「日本一をチームの絶対目標として掲げている」と須江監督。まずはしのぎを削ってきたライバルを下し、東北勢の代表として頂上決戦に駒を進める。(柳内 遼平)

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2022年8月20日のニュース