近江・山田 昨夏敗れた準決勝突破へ闘志「後半勝負になる。集中してやっていく」

[ 2022年8月20日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権第13日・準決勝   近江―下関国際 ( 2022年8月20日    甲子園 )

近江・山田
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 第104回全国高校野球選手権は19日に今大会2度目の休養日を迎え、4強に残った各校はそれぞれ調整し、20日の準決勝に備えた。近江・山田陽翔投手(3年)は同じ準決勝で敗れた昨夏の雪辱へ意気込み、仙台育英と聖光学院は東北勢同士では初めて準決勝で激突。初4強の下関国際を含め、4校すべてが春夏通じて初優勝に挑む。

 近江・山田陽翔は下関国際との準決勝の先発登板へ向けて「大丈夫。問題ない」と言い切った。高松商との準々決勝は右太腿裏がつって8回1死で途中降板を余儀なくされた。一夜明けてノースローで調整し、チューブトレーニングで肩関節の動きを確認。打撃練習も見合わせ、疲労回復を優先した。

 「(下関国際は)大阪桐蔭の投手に対して、追い込まれながらもしぶとくファウルを打っていた。粘り負けしないように、根気強く戦いたい」

 昨夏準決勝は優勝した智弁和歌山に7回途中4失点と攻略され、悔し涙に暮れた。雪辱へ頼もしい存在が控える。今夏4試合中3試合で好救援した星野世那だ。「1イニング、1球でも山田の負担を減らしたい。助けられるのは自分だけ」。ともに走り抜けた先に待つ栄冠だけを見据えた。

 3季連続の4強入り。多賀章仁監督は要因の一つに山田の熱意に魅入られた高校野球ファンの存在を挙げた。「山田の熱い思いに対して声援を送ってくれている。見えない力に後押ししてもらっているムードを感じる」。昨夏の敗退後、主将になった山田を先頭に「日本一」を合言葉に掲げてチームとして成長。21年ぶり決勝進出を懸けた大一番も大観衆を味方につけて「理想は3点以内に抑えて、5点取る」と思い描いた。

 僅差の展開に持ち込むには当然、大黒柱の力投が鍵を握る。「簡単には勝たせてもらえない。後半勝負になる。集中してやっていく」。夢に見た大旗まで、あと2試合。エースとして全開を誓った。(八木 勇磨)

 ▽昨夏準決勝の近江・山田 1回戦から全試合で救援していた背番号1の岩佐直哉(当時3年)が準々決勝で右肘を痛めて投げられず。背番号8の山田は6日間で4試合目の登板だった。「3番・投手」で先発し、智弁和歌山に初回2点の先制を許したが、3回には自ら反撃の左前適時打。5回1死満塁のピンチは当時の自己最速に並ぶ146キロで切り抜けた。6回に2点を追加され、7回2死二塁で122球に達して降板。大会通じて計546球を投げて涙し、「来年は優勝したい」と誓った。

 《1回戦で逆転打の横田が再登録》大会本部は、近江が登録選手を変更すると発表した。大石尚汰内野手(1年)から横田悟内野手(2年)に変更される。横田は鳴門との1回戦に「5番・遊撃」でフル出場し、逆転打を含む4打数2安打2打点の活躍。鶴岡東との2回戦前日の11日に登録を外れていた。

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