【甲子園】仙台育英「白河の関越え」とともに狙う“大記録” 19年ぶりノーアーチ優勝なるか

[ 2022年8月20日 16:56 ]

<聖光学院・仙台育英> 試合前、選手を座らせ話をする須江監督 (撮影・亀井 直樹)
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 仙台育英(宮城)が甲子園大会史上初の準決勝での「東北対決」を制して、7年ぶり3度目の決勝進出を果たした。過去2度はいずれも涙をのんだ決勝の舞台。東北勢にとって悲願とも言える深紅の大優勝旗の「白河の関越え」に挑む。

 豊富な投手陣を支えてきたのが圧倒的な打撃力だ。この日も同じ東北のライバル・聖光学院(福島)に対し、切れ目なく打線をつなげ、19安打18得点。初戦の2回戦から4試合で計56安打39得点と攻撃力を示してきた。しかしながら今年の仙台育英は長打力で得点を量産…という攻撃パターンではない。

 須江航監督は「長打で勝ち上がってきたチームではない。身の丈に合った、低い打球をつないで行こうと。それを選手が実践してくれた。非常に頼もしかった」と振り返る。ここまで4試合で本塁打はゼロ。機動力で相手に重圧をかけ、走者を一つでも先の塁に進める。単打でも得点できる状況を整え、攻撃をつなげていくスタイル。この日、5打点を挙げた遠藤太胡(3年)は「1球に対する思いは一人一人違うが、質を求めて1球1球、いい打撃ができるようにみんな意識している」と胸を張る。4戦56安打のうち、単打は43本。意識の高さを表す数字だ。

 決勝の対戦相手となる下関国際(山口)もしぶとい打撃がウリで決勝までの4試合はノーアーチ。仮に両校とも本塁打なしでの優勝となれば、1976年の金属バット導入以降、3校目。1992年の西日本短大付(福岡)、2003年の常総学院(茨城)以来、19年ぶりとなる。チームに浸透する「後ろにつなぐ意識」で最後の戦いの場まで勝ち上がってきた仙台育英。粘り強く、束になって東北の先輩たちが越えられなかった最後の「難所」を越える。

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