【甲子園】東北対決、近江・山田の状態、対峙する下関国際打線…準決勝見どころ

[ 2022年8月20日 08:15 ]

近江・山田
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 いよいよ大詰めだ。第104回全国高校野球選手権は20日、準決勝2試合が行われる。第1試合では、7年ぶりの決勝進出を狙う仙台育英(宮城)と、初の4強入りを果たした聖光学院(福島)の東北勢対決が実現。第2試合は、3季連続4強入りした近江(滋賀)と、準々決勝で今春選抜王者の大阪桐蔭を破った下関国際(山口)が対戦する。準決勝の見どころを改めて見てみたい。

 まずは、仙台育英。全5投手が最速140キロ超と、強力な投手陣の継投で勝ち上がってきた。打線で注目したいのが、18日の愛工大名電(愛知)との準々決勝で「6番・一塁」で今大会初先発出場した岩崎生弥(3年)。昨年6月に運動誘発喘息などを患い、練習ができない時期を乗り越えて宮城大会ベンチ外から背番号14を勝ち取った。今大会は7打数4安打6打点とラッキーボーイ的な存在感。岩崎は「打ち勝つのは無理だと思う。接戦に持ち込んで守り勝っていきたい」と誓う。

 対戦相手は聖光学院。昨秋や今春選抜は課題に挙がっていた打撃陣も、今大会は横浜(神奈川)との2回戦から3戦連続2桁安打で計25得点。九州学院(熊本)との準々決勝では、先発野手全員安打をマーク。中でも2番・高中一樹(2年)は打率・615と絶好調だ。投手陣もエース・佐山未来(3年)に加え、ここまで救援してきた小林剛介(3年)の投球が勝負の行方を左右しそう。東北勢同士の対戦で、春季東北大会優勝校としての意地を見せられるか。

 近江は、やはりエースで4番の大黒柱・山田陽翔(3年)の状態が試合展開に大きく影響するだろう。ここまでの全4試合に先発し、今秋ドラフト候補の浅野翔吾(3年)を擁する高松商との準々決勝では右太腿をつり、8回途中で降板。疲労の回復具合が気になるところだが、リリーフの左腕・星野世那(3年)は今春選抜に比べて安定感が増した印象で、山田も「選抜から選手権で、かなりチームが変わっているなと感じている」と手応えを口にする。

 絶対王者と言われた大阪桐蔭を破る金星を挙げた下関国際は、プロ注目左腕の古賀康誠(3年)と、遊撃から投手に回る仲井慎(3年)の2人の投手が中心。個人で目立つような選手は多くないが、エンドランやバントなど小技も使った攻撃を駆使し、チャンスをものにする。打率・545と好調の1番・赤瀬健心(3年)らがひっぱる打線が近江・山田を打ち崩せるか。いずれの学校が勝ち進んでも初優勝となる。栄冠はどのチームに輝くか。(記者コラム・田中 健人)

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