新しい夢を見つけた鳥取商「主務」中原貫太君 「いつかは甲子園で審判したい」

[ 2022年8月12日 04:05 ]

第104回全国高校野球選手権第6日・2回戦   鳥取商 0―10仙台育英 ( 2022年8月11日    甲子園 )

ナインに声をかける鳥取商・中原貫太記録員(右)
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 【いっちーの届け夏エール】鳥取商の記録員・中原貫太君(3年)は新たな伝統をつくりました。

 高校野球では珍しい『主務』。昨年11月、練習試合で訪れた和歌山大のお兄さんたちに憧れて選手から転身しました。「試合に出なくても、チームが勝つために活躍していて心打たれました」。それまではベンチ入りしても出場機会なし。「反対されるかな」と選手への未練を持ちつつ渡辺達郎監督に伝えると「裏方を買って出てくれてうれしい」の返答。複雑な思いでしたが、主将の久城洸太君から「選手としてのおまえが必要」と引き留められ、逆に心が決まりました。

 同校初の主務の仕事はノックやデータ分析、グラウンド整備など多岐にわたります。その中で「新しい夢」を見つけました。それが高校野球の審判員。練習試合で担当していくうちに「選手と違う景色、特等席で見られる魅力がある」と感じ、野球規則書を読んだり、ジャッジの練習をするようになりました。

 仙台育英戦では、打球とともに審判員の姿も追いかけました。「いつかは甲子園で審判したい」。中原審判員を甲子園も待っています。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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2022年8月12日のニュース