【甲子園】近江・山田 強打・鶴岡東に2被弾、指揮官「ショック」も 捕手マウンドに呼び、冷静対処

[ 2022年8月12日 17:31 ]

第104回全国高校野球選手権 2回戦   近江8-3鶴岡東 ( 2022年8月12日    甲子園 )

<近江・鶴岡東>先発する近江・山田(撮影・亀井 直樹)
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 近江(滋賀)が鶴岡東(山形)を8-3で下して2年連続の16強進出を果たした。先発した今秋ドラフト候補右腕・山田陽翔投手(3年)が2戦連続2桁となる12奪三振。3失点しながら149球完投し、駒大苫小牧(北海道)・田中将大(現楽天)、早実(東京)・斎藤佑樹(元日本ハム)を超える甲子園通算9勝を挙げた。

 7日の1回戦・鳴門(徳島)戦は、8回4安打2失点13三振をマーク。中4日でのマウンドも、初回に今大会最速タイの148キロを投じるなどエンジン全開。2回まで無失点と立ち上がった。打線は2回に7番・岡崎の中前適時打で1点を先制した。

 しかし、3回、先頭の9番・渡辺に高めをとらえられて同点の左越えソロを浴びると、続く武田も右前打。なおも無死一塁から、1回戦で2発をマークしている2番・土屋に高めに入ったスライダーをとらえられて左中間2ランで勝ち越しを許した。それでも直後の攻撃では清谷、中瀬の連打で同点とすると、4番に座った自らの左翼線適時二塁打で勝ち越した。

 4回以降は投球を持ち直し、6回まで毎回奪三振。7回から9回までは走者を背負ったが、無失点にしのいでリードを守り切った。

 山田は「きょうは無事に2回戦を突破できた。次につながる試合ができてうれしいと安どの表情を浮かべた。

 相手打線は評判通りの強烈さ。3回に2被弾し、多賀章仁監督は「山田がああいう形でホームランで点をとられるのは本人としてもあまり記憶にないと思う。2点以上なかなかとられないピッチャーなので、3点入って私自身は非常にショックを受けた。本人はどうかなと思った」と心配した心境を吐露。山田はベンチで仲間に「悪い悪い」と謝っていたというが、その後は引き締め直して無失点に抑えた。山田も「思い通りの投球させてもらえなかった。うわずった球はすべてフェンスを越された。甲子園だなと思いました。ピッチングでは反省点も出ました。100点満点で50点です」と反省を口にした。

 一方で、この時山田は捕手の大橋をマウンドに呼んで、ある会話を交わしていたという。「低めの変化球を打たせていこう、ボールをしっかり止めてくれと。その通りに大橋が止めてくれて、投げやすかった」と女房役に感謝。3度目の甲子園だけに経験の豊富さは随一。被弾のショックをすぐさま断ち切る見事な修正能力を見せた。

 決勝打となった適時打は「引っ張りにかかっていたのであまり打撃には満足していない。次は右中間方向に打てるように頑張りたい」と次を見据えていた。

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