エンゼルス・大谷 ダブル規定到達へ再スタート 今後は中5日で残り9登板、投球回平均5回2/3が条件

[ 2022年8月12日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―4アスレチックス ( 2022年8月10日    オークランド )

<アスレチックス・エンゼルス>6回、相手のバッテリーミスに、自軍走者の進塁を促す大谷(撮影・大森  寛明)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)の次回登板が、15日(日本時間16日)の本拠地でのマリナーズ戦に決まった。10日(同11日)、フィル・ネビン監督代行(51)が公表した。今後は中5日で起用することも明かし、大谷は残りの9登板で平均5回2/3を投げれば、米移籍後初めて規定投球回を満たす。ベーブ・ルースも成し得なかった前人未到の投打ダブル規定数クリアが、次なるターゲットだ。

 大谷は前に進み続ける。1918年のルース以来、104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」達成となる10勝目から一夜明け、早くも次回登板が決まった。中5日で15日(日本時間16日)のマリナーズ戦と明かしたネビン監督代行は、「今後は(中5日を空けて)6日間に1度投げることになる」と説明した。

 次回登板で中5日は4度連続。これまでの基準だった中6日を空けなくてもコンディションに問題なく投球を続けており、大谷本人の意向も踏まえて選択したとみられる。チームは借金14の地区4位に低迷、プレーオフ進出は絶望的だが、来季の起用法を判断する試金石にもなりそうだ。

 レギュラーシーズンは残り50試合。大谷は中5日なら残り9度の登板が見込まれ、平均5回2/3以上を投げれば、メジャー移籍後初の規定投球回(162)に到達する計算だ。9日の試合後には今後の目標について「なるべく健康で良い状態で最後まで投げきったり、試合に出ること」と語った。2年連続で規定打席(502)への到達はほぼ確実。球団広報によると、ワールドシリーズが始まった1903年以降、投打でシーズンの規定数に達した選手はおらず、「ルース超え」の未知の領域に挑む。

 この日はアスレチックス戦に「2番・DH」で出場し、初回に左前打を放って4打数1安打。延長11回にはリーグ最多11個目の敬遠四球で歩かされたが、チームの52日ぶりの3連勝に貢献した。9日は登板中に左足首付近に打球が直撃した影響で6回限りで降板したが、足を引きずる様子もなく元気な様子。ネビン監督代行も「翔平の左足は大丈夫だ」と強調した。

 9連戦が終了し、試合後にアナハイムへ戻った。11日(同12日)は試合のない休養日。リフレッシュを経て、大谷が12日(同13日)のツインズ戦から新たな目標に向けて再スタートを切る。(柳原 直之)

 ▽ルースと規定到達 規定投球回到達はレッドソックス時代の1915~18年の4度。13勝&11本塁打の「ダブル2桁」を達成した18年は382打席で、規定打席の390(シーズン126試合×3.1)に8足りず。9勝&29本塁打の翌19年は133回1/3で、規定投球回(138)に4回2/3足りなかった。ヤンキースに移籍した20年以降は、ほぼ打者に専念。

 《日本ハム時代は規定打席到達せず》大谷は日本ハム時代に投手として14、15年に規定投球回に到達。15年は15勝5敗、防御率2.24で最多勝、最優秀防御率、最高勝率のタイトルを獲得した。規定打席に達したことはなく16年の382打席が最多。打率.322、22本塁打、67打点と3部門で結果を出したが規定の443打席に61打席足りなかった。

 《NPBでは50年に野口二郎が達成》プロ野球で同一シーズンに投打の規定をクリアしたのは50年野口二郎(阪急)が最後。投手として15勝9敗、防御率3.16(6位)。打者としては打率.259(30位)、3本塁打、41打点だった。野口は1リーグ時代を含め歴代最多の6度同一シーズンで投打の規定に到達。次いで古谷倉之助(金鯱)、中河美芳(黒鷲)の各3度らがいる。

 《岸田首相が祝意「大変誇らしい」》岸田文雄首相が、大谷による104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」達成について、自身のツイッターで祝意を示した。「日本プロ野球でもこの偉業を成し遂げており、日米で達成した唯一の選手に(なった)」と強調。「野球の新たな歴史を切り開く活躍を、国民として大変誇らしく思います」と称賛した。首相は衆院広島1区選出で、大の広島ファン。自身も高校球児だった。

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2022年8月12日のニュース