巨人・中田 第91代4番!移籍後初就任で初回に先制打 3カ月ぶり2カード連続勝ち越しに貢献

[ 2022年8月12日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―1中日 ( 2022年8月11日    バンテリンD )

<中・巨>初回、先制適時打を放つ中田(撮影・椎名 航)
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 巨人・中田翔内野手(33)が11日の中日戦で、巨人の第91代4番を務めた。調子の上がらない岡本和真内野手(26)に代わって移籍後初の4番に座り、初回の第1打席で先制の中前適時打を放ち、6―1の勝利に貢献。チームを3カ月ぶりの2カード連続勝ち越しに導いた。

 過去は消えない。でも、失敗は取り返せる。そんな姿を中田が見せた。移籍後初の4番。「やることは変わらない。いつも通りのことをやるだけ」と初回2死三塁の第1打席で、決勝点となる先制の中前適時打を放った。

 8月11日。日本ハムに所属していた昨年は、チームメートへの暴力行為で出場停止処分が科された日だ。世間から厳しい非難も浴びた。その後、無償トレードで巨人へ電撃移籍。「一から自分を見つめ直す。野球で恩返しをするしかない」と真摯(しんし)に向き合った。だが、結果を求めるあまり「失敗を恐れている自分がいた」。昨季は打率・154、3本塁打と苦戦。2軍落ちも3度経験した。今季も前半戦は調子が上がらず、コロナ感染以外でも2度の2軍落ち。それでも、2軍の若手に混じり懸命にバットを振った。

 1年後。12球団随一の歴史と伝統を誇る巨人の「第91代4番」に座った。後半戦再開後は試合前時点で・409と好調。前夜は劇的な決勝弾を放つなど、存在感は増していた。「4番はチームの勝敗を分けるところ。そこは自分を信じてやるしかない」との言葉通り、チームを5月17~19日の広島戦以来、3カ月ぶりの2カード連続勝ち越しに導いた。

 4番の責任と重圧は誰よりも知っている。侍ジャパンの4番の経験もある大砲は「4番は(岡本)和真の席。和真が戻ってくるまでみんなでカバーしながらやっていくだけ」と言った。不振の岡本和は6番に下がり、3打数無安打。4番以外での出場は19年9月27日以来だった。重い決断を下した原監督は「両方にとっていい刺激になれば、それが一番いい」とうなずいた。

 6回1死満塁のピンチでは、ネット際のファウルフライを好捕した。中田は常に「結果を残して、一日でも早くファンの皆さんに認めてもらえるように」と繰り返す。攻守にひたむきな姿を見せ続け、第91代の4番像を示していく。(小野寺 大)

 《初打席安打は岡本和以来》中田が91代目の先発4番で出場し、初回の初打席でV打となる先制の中前安打を放った。巨人の4番デビュー試合初打席に安打したのは18年6月2日オリックス戦の岡本和(左本塁打)以来。V打となったのは07年6月9日楽天戦で阿部慎之助が初回に先制2ランして以来15年ぶり。巨人で4番初試合から2戦連続先発4番で打点を挙げると04年7月23、24日横浜戦の小久保裕紀以来になる。

 ▽中田の巨人移籍 昨年8月4日、日本ハムのチームメートへの暴力行為で謹慎。同11日に球団は1、2軍全ての試合で出場停止処分としたことを発表した。栗山監督は「このチームでの復帰は難しい」と発言。同20日に無償トレードで巨人に移籍し、会見で謝罪した。同22日のDeNA戦に「5番・一塁」で先発出場し、移籍後初安打となる左越え2ランを放った。

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