エンゼルス・大谷“変幻”メジャー通算20勝 バックドア駆使11Kで2年連続100K達成

[ 2022年7月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4―1ホワイトソックス ( 2022年6月29日    アナハイム )

<エンゼルス・ホワイトソックス>2回、まるでスポットライトのように夕陽が当たるマウンドで投げる大谷(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 感情をバットに込めた打席とは対照的だった。エンゼルス・大谷はマウンドではクレバーな投球を披露した。

 初回は25球中、直球が11でスプリットが6。力で押すと思わせたが2、3回はスライダーなど変化球の割合を増やした。4回は再び力勝負。変幻自在の快投に「途中から(相手の変化球への)ケアが強くなってきたのでまた直球を多めに切り替えた」と冷静だった。

 5回2/3を5安打無失点で今季7勝目を挙げメジャー通算20勝に到達。直球が最速101マイル(約162・5キロ)を記録したことで変化球もさえ、今季5度目の2桁11三振は全て変化球で奪い、2年連続100奪三振(101)を達成した。特に威力を発揮したのは左打者の外角のボールゾーンから急激に曲げてストライクとなるスライダー、いわゆる「バックドア」だ。一歩間違えば失投となるが、2回はガルシアへの8球目、3回はモンカダにフルカウントから投じ、いずれも空振り三振。ヤンキース時代の田中将(現楽天)も駆使した球種で大谷も強力な武器となっている。

 連続イニング無失点を自己最長21回2/3とし自己最長タイ4連勝&月間自己最多4勝目。大谷も「各球種ゾーンの中で勝負ができている」と手応えを語る。歴代2位の通算2856勝を誇る敵将トニー・ラルーサ監督も米メディアに「彼は複数の武器を持っている。彼は本物だ」と語った。

 6月は投手で4勝1敗、防御率1・52で打者でも打率・298、6本塁打、17打点。イチロー、松井秀喜らを抜き日本勢最多3度目の月間MVP受賞も視野に入る。腰の状態は気になるが昨季9勝で届かなかった2桁勝利まで、あと3とした。

 ▽バックドア(Backdoor) 直訳すると「裏口」。野球では「打者の外角のボールゾーンからストライクゾーンに変化して入ってくる球」を意味する。対右打者なら外角のツーシームなどシュート系の球。対左打者ならスライダーを外角のボールゾーンから曲げる。楽天・田中将はヤンキース時代から左右両打者へのバックドアの使い手。元広島・黒田も右打者へのバックドア・ツーシームが大きな武器だった。

続きを表示

2022年7月1日のニュース