広島・秋山 2000安打はカープで決める!! 松田オーナーからも「ボロボロになっても打ってくれ」

[ 2022年7月1日 04:45 ]

入団会見でバットを手にポーズをとる秋山 (撮影・奥 調)
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 米大リーグ、パドレス傘下の3Aエルパソを自由契約になり、広島に移籍した秋山翔吾外野手(34)が30日、マツダスタジアムで入団会見を行った。出来高払いを含む3年総額5億円(金額は推定)で正式契約を結び、背番号9に決まった。交渉の席で残り524本とする2000安打の話まで及んだことが入団の決め手の一つとなり、松田元オーナーからも大台への期待を寄せられた。今後は、あす2日から2軍に合流し、早期昇格を目指すことになる。

 広島を新天地に選択したのは、球団の思いやりに心を動かされたからだった。秋山は、入団会見で交渉の席での言葉を思い返した。

 「(入団の決め手は)まだまだ選手として長くやりたいという思いと(交渉を担当した)鈴木球団本部長から2000本という言葉があったこと。個人の思いとしては持っていましたけど、フロントの方から、そういう言葉が出てきたことをうれしく思いました」

 今年で34歳を迎える中で3年契約を提示された上に、個人記録まで気にかけてくれた球団の心遣いが響いた。会見前に初対面した松田元オーナーからも「ボロボロになっても2000本を打ってくれ」と伝えられた。2000安打までは残り524本。これまで縁のなかった広島で球団6人目の大台を目指す。

 「個人の数字は、チームを決めるときには関係ないことじゃないですか。それでも交渉の場で言葉にしてもらえたことは、すごくありがたいなと思いました。達成が早くなればなるほどチームに貢献できているでしょうし。個人の記録を気にして、言ってくれるというのは所属する選手にとっては幸せなこと」

 実績はチームトップレベルを誇る。加えて広島の外野でレギュラーと言えるのは、故障で離脱中の西川のみ。名実ともに優位な立場ながら、本人は特別扱いを一切求めていない。「自分にやるべき仕事は出塁だと思う。もう1回しっかりレギュラーを獲る」。競争に入って、残した結果で中心選手にふさわしいことを証明する。

 ただ、6月上旬に新型コロナウイルスに感染して以降は、十分な練習量を確保できておらず、現在の状態は万全と言いがたい。即1軍昇格は見送られ、あす2日から2軍に合流することが決まった。

 「秋山翔吾という選手がどういうことができるのかを見てもらいたい。獲ってもらった以上、しっかりとしたプレーで歓声、拍手をもらいたい気持ちはすごくある。それを早く、そして長くやれるようにやっていきたい」

 米国での挑戦を終えても向上心は尽きない。縁のなかった広島で、新たな冒険が始まる。 (河合 洋介)

 ◇秋山 翔吾(あきやま・しょうご)1988年(昭63)4月16日生まれ、神奈川県横須賀市出身の34歳。横浜創学館から八戸大を経て10年ドラフト3位で西武入団。15年にプロ野球記録のシーズン216安打を記録するなど最多安打4度、17年に首位打者に輝いた。20年に海外FA権を行使してレッズへ移籍。22年4月の自由契約後はパドレスとマイナー契約を結んでいた。1メートル84、87キロ。右投げ左打ち。

 ○…秋山(広)は日米通算1476安打で、2000本までは残り524本。これまで、広島で2000本目の安打を放った選手は衣笠祥雄、山本浩二、野村謙二郎、前田智徳、新井貴浩と全て広島でプロ初安打を放った選手(新井は途中、阪神在籍を挟む)。他球団でプロ生活をスタートし、広島で区切りの大台に到達すると初になる。

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2022年7月1日のニュース