新井貴浩氏 フルスイングと決めていた阪神・佐藤輝の精神的な強さ 1本出れば感覚は取り戻せる

[ 2022年7月1日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5―6DeNA ( 2022年6月30日    横浜 )

新井貴浩氏
Photo By スポニチ

 【新井貴浩 視点】佐藤輝は初球がボールになった時点で次の球は絶対に振る…と決めていたと思う。変化球が来てボール球を空振りしても、カウント1―1になるだけ。それでもいいと思える精神的な強さも彼の良さだ。それくらいでないと、エスコバーの154キロ、しかも内角球を引っ張って本塁打にはできない。

 本塁打が出ていなくても、スイングが崩れているわけではなく、疲れもあって始動が少し遅いだけ…と見ていた。5回の中犠飛も軸足の左足に体重が乗っている時間が少ない分だけ差し込まれた。

 犠飛でも納得していなかったのは表情で分かった。すぐ次の打席で準備を早くし、修正をかけた。しかもエスコバーは球が速い。速球一本に狙いを絞ったことで、始動も早くなった。久しぶりの本塁打で感覚も取り戻したと思う。1本出れば次は早い。大砲とはそういうものだ。

 急激に気温が上がり、投手陣にはキツい時期。阪神は開幕から投手に助けられた試合が多かった。いまこそ打者陣がたくさん点を取って助ける番だ。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2022年7月1日のニュース