ヤクルト ドラ2・丸山和V打で50勝一番乗り!1日にも史上最速のM灯

[ 2022年7月1日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4―2広島 ( 2022年6月30日    マツダ )

<広・ヤ>勝利しタッチを交わすヤクルトナイン (撮影・奥  調)
Photo By スポニチ

 ルーキーが価値ある一打を放った。ヤクルトのドラフト2位・丸山和郁外野手(22)が30日、広島戦で2―2の延長12回、決勝の2点二塁打。チームを4連勝と両リーグ50勝一番乗りに導いた。これで6月は球団最多タイの19勝(4敗)。6月中の50勝到達は史上3球団目の快挙だ。きょう1日にも、リーグ2連覇に向けた優勝マジック「53」か「54」が点灯。65年南海の7月6日を上回る史上最速の点灯へと、快進撃は止まらない。

 目の前で同い年の村上が申告敬遠された。この試合で2度目。分かってはいたが、丸山和は「なにくそ」の思いで2―2の延長12回2死一、二塁の打席に向かった。その2球目、中崎の135キロのチェンジアップを捉えた打球は中堅の頭を越える勝ち越しの2点二塁打。ルーキーのバットが4連勝に導くとともに、プロ野球史上最速の優勝マジック点灯に王手をかけた。

 「2打席凡退して、前の打席でもチャンスをつぶした。目の前で(村上が)2回敬遠されて悔しい気持ちがあった」

 守備から途中出場し、延長10回は同様に村上の敬遠後に空振り三振。最高の形で雪辱した。3度甲子園に出場した前橋育英から明大と進んだ野球エリートだが、出身は人口5000人にも満たない群馬県倉淵村(現高崎市)。統合する前に通っていた小学校のクラスは4人。野球は村内の3つの小学校が集まってチームをつくっていた。「子供のころは野山を駆け回っていた」という自然児が、大きな仕事をやってのけた。

 丸山和にとって同学年の村上は目標であり、ライバルだ。「チームの柱。いつか自分も中心選手になりたい。いつも(村上)宗の言動、行動を見習っている」と素直に明かした。そんなルーキーの姿に高津監督も目を細める。「チャンスをちょっとずつものにするのが若い人のあるべき姿。思い切りのいい打席を見せてくれた」とヒーローを称えた。

 これで6月は球団タイ記録の月間19勝を達成。貯金は27まで増えた。指揮官は「今日みたいなゲームを取ってきた結果がそういう数字。粘り強く一つずつ丁寧にワンプレーを大事にやっていきたい」と納得の表情。きょう1日にも65年の南海を超える史上最速のマジックがともる。「明日勝てるように頑張ります」。高津監督は自信に満ちた口調でそう締めた。 (君島 圭介)

 ◇丸山 和郁(まるやま・かずや)1999年(平11)7月18日生まれ、群馬県出身の22歳。前橋育英では投手兼外野手の二刀流で2年夏、3年春夏の甲子園に出場。3年夏には大会タイ記録の8盗塁をマークした。同年のU―18W杯に日本代表として出場。明大では主将だった4年春、秋にベストナインを受賞した。21年ドラフト2位でヤクルト入団。1メートル74、80キロ。左投げ左打ち。

 ≪勝てばマジックナンバー54か53が点灯≫ヤクルトが97年以来チーム2度目の両リーグ50勝一番乗り。今季74試合目、6月30日での50勝は、95年の80試合、7月22日をいずれも大幅に更新する球団最速になった。また、6月中の50勝到達は03年阪神(6月29日)、05年ソフトバンク(6月25日)に次ぎ両リーグ3球団目だ。今月は19勝4敗の勝率.826。02年8月の19勝5敗2分けに並ぶ、球団の月間最多勝利で、月間勝ち越し15は前記02年の14を抜く球団新記録だ。なお、この日の結果、今日にも優勝へのマジックナンバーが点灯する。条件はヤクルトがDeNAに勝つことで、マジックナンバーは巨人が広島に勝つか、引き分けると54、敗れると53が出る。

続きを表示

この記事のフォト

2022年7月1日のニュース