富士大 初戦敗退も最速150キロ右腕・金村10回完投で力示した

[ 2022年6月7日 05:30 ]

全日本大学野球選手権第1日・1回戦   富士大1―2大商大 ( 2022年6月6日    東京D )

<富士大・大商大>先発の金村(撮影・藤山 由理) 
Photo By スポニチ

 開幕し、1回戦4試合が行われた。今秋のドラフト上位候補に挙がる富士大の最速150キロ右腕・金村尚真投手(4年)は大商大との1回戦で先発し、10回を2失点。延長10回タイブレークの末に1―2で初戦敗退となったが、上位指名候補の片りんを全国の舞台で示した。神宮で予定された3試合は雨天順延となった。

 こん身の122球で己を表現した。12球団のスカウトが熱視線を送る中、金村が躍動。小さなテイクバックから自己最速まで3キロに迫る147キロの直球、スプリットなど多彩な変化球を低めに集めた。昨春の北東北大学リーグで完全試合を達成し、今春は4勝0敗、防御率1・36と圧倒した右腕は、全国でも変わらぬ姿を示した。

 1―1のまま無死一、二塁から始まる延長タイブレークに突入。10回1死二、三塁から許した右前適時打が決勝点になり「ピンチで抑えきれない。それが自分の弱さ」とした。だが、昨年に続く2度目の舞台で10回7安打2失点(自責1)、8三振と好投。昨年12月の大学日本代表候補合宿で、日体大の今秋ドラフト1位候補の二刀流左腕・矢沢宏太から教わったスライダーが威力を発揮し「自分の軸になっていく」と自信を深めた。

 スカウト幹部からは絶賛の声が続いた。ソフトバンク・永井智浩編成育成本部長は「どの球でもストライクが取れるので安心して任せられる。当然、上位(指名)もある」と高く評価した。評価の難しい地方リーグの好投手だが、富士大は18年最多勝の元西武・多和田や、西武・山川、外崎らを輩出してきた。東北No・1右腕は「プロに行く以上、1位で行きたい」。10月20日のドラフト会議をにらんだ。(柳内 遼平)

 ◇金村 尚真(かねむら・しょうま)2000年(平12)8月29日生まれ、沖縄県豊見城市出身の21歳。上田小3年時に豊見城ジュニアで野球を始める。豊見城中では軟式野球部に所属し、侍ジャパンU15に選出。岡山学芸館では甲子園出場なし。富士大では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒5、遠投120メートル。1メートル76、83キロ。右投げ右打ち。

 ▼広島・苑田聡彦スカウト統括部長 球の切れもコントロールも良い。今年の中では目立つ投手。スライダーもフォークも使える。先発、救援どちらでもいけると思う。

 ▼阪神・葛西稔スカウト 丁寧に、打者を観察しながら投げられる投手。球速も出ていて、(自身のスピードガンで)149キロ。即戦力に近い評価です。

続きを表示

2022年6月7日のニュース