球速100マイルの剛腕 あえて抑えた直球で打者を圧倒 レッズの大物ルーキー、大投手への進化の過程

[ 2022年6月7日 14:32 ]

ダイヤモンドバックス戦で今季3勝目を挙げたレッズのグリーン(AP)
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 レッズの大物ルーキー、ハンター・グリーン(22)が6日(日本時間7日)のダイヤモンドバックス戦で今季11試合目の先発登板。7回を投げ、1安打無四球8奪三振と、圧倒的なピッチングで3勝目を挙げた。自慢の直球は百マイルを越えなかったが、一度も強い当たりを打たれることなく、17個の空振りを奪っている。デビューから最初の10試合は2勝7敗、防御率6・19。

 5月5日のブルワーズ戦では5発の本塁打を浴びメジャーの洗礼を受けた。今季直球の平均速度は98・6マイル(約158・6キロ)だが、被打率・383とよく打たれていた。一方で平均87・6マイル(約140・9キロ)のスライダーは被打率・124、空振り率41%と効果的だった。

 この日の試合前、実況解説のバリー・ラーキン氏は「ここまでの数字は良くないが、いかにアジャストしていくかだ。スライダーを上手に使って直球を生かす。効果的に内角を突く。いつ、どういう風に使えば良いのか、経験を積みながら覚えていくもの」と説明した。相手は直球に強いダイヤモンドバックス打線だったが、低目にスライダーを配し、打者の目線を下げた後、高めの伸びのある直球で次々に空振りを奪った。グリーンは試合後地元記者の取材に「目いっぱい投げることはしなかった。それよりもいかに打者のバランスを崩すか。それが少しずつ分かってきた」と笑顔で語っている。ダ軍の打者は速球を25度振ってきたが、約半分の12度が空振りだった。降雨のため試合は7回裏2死、レッズの攻撃中に中断、30分後にコールドゲームとなった。7対0で、グリーンはメジャーで初の完封勝ち。しかしながら本人は「今は勝ち負けは考えない。シーズンが終わった時に自分がどれだけ良い投手に成長できているかが大切」と話している。

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2022年6月7日のニュース