ソフトバンク・牧原大に交流戦MVP獲得指令 藤本監督「狙えるくらい頑張ってくれ」

[ 2022年6月7日 05:00 ]

ソフトバンク・牧原大

 キーマンはマッキーだ。交流戦12試合を終え、7勝5敗で3位タイのソフトバンク。7日からの残り6試合は本拠地で阪神、ヤクルトを迎え撃つ。藤本博史監督(58)は“鷹のキングジョーカー”牧原大成内野手(29)に交流戦MVP獲得指令を出した。交流戦打率・432と絶好調の万能野手が、交流戦9度目の優勝へチームを導く。

 残り6試合での交流戦逆転Vへ、藤本監督は“確変”したキングジョーカーにかけた。

 「走って、打って良し。神懸かっているのでね。当分、キングジョーカーじゃないけど交流戦MVPを狙えるくらい頑張ってくれ」

 牧原大は37打数16安打で交流戦打率・432。12球団2位につけている。安打数16と9打点も同6位タイと絶好調だ。7日からの交流戦2位の阪神戦と、10日から始まる同首位のヤクルト戦へ、牧原大への期待は高まるばかりだ。

 指揮官のMVP指令を伝え聞いた牧原大は「正直そこ(MVP)はあまり求めていない。優勝も大事だけどチームのために何かひとつ、何ができるか考えながらやる」と冷静だ。

 優勝球団から選出されるMVP。過去8度優勝しているソフトバンクからは08年の川崎宗則から始まり、2度獲得した柳田や、19年の松田宣浩まで7人が受賞したが、いずれも定位置を獲得した選手。二塁、三塁、遊撃に代打とマルチな実績を残した牧原大が獲得すれば注目度は倍増する。

 さらに、柳町が下半身のコンディション不良で出場選手登録を抹消されたため、牧原大は中堅手としても起用される可能性がある。それだけに「準備をしっかりして臨んで、結果に出ている。早めに仕掛けていく」と意気込む。

 練習には早い時間に姿を見せ、ティー打撃を重要視。納得するまで振り続ける準備を指揮官は見ている。試合では途中出場でもワイルドカードと化す。指揮官は「牧原はレギュラー以上の仕事をしてくれている。レギュラー以上のものとして使っている。交流戦で頑張ってもらって、後半良い形で入れるように」。託す思いは大きい。

 昨季チームは交流戦で11位と失速した結果、リーグ戦も4位に低迷した。藤本監督は同じ轍(てつ)を踏むつもりはない。「ホームで何とか最低勝ち越し、勝ち越しで終わりたい」。トランプゲームの上がり札「ジョーカー」に指揮官が自ら「キング」を付けて「キングジョーカー」と呼ぶ牧原大が、MVPへ突き進む。(井上 満夫)

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2022年6月7日のニュース