ダルらとの最強投手争いに名乗り バーンズは「測定不能」の快投

[ 2021年4月22日 07:00 ]

ブルワーズのバーンズ(AP)
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 楽天・早川は8・33。19日付のスポニチ本紙で、「K/BB」という数値を用いて黄金ルーキーの非凡さを表現した。奪三振数÷与四球数で算出し、1四球を与えるまでに奪う三振数を示すもので、先発投手なら4を超えれば一流。レッドソックスで抑えとして世界一に貢献した13年の上原浩治は、大リーグの30球団トップの11・22だった。しかし、今季のメジャーでは「K/BB」では計れない活躍を見せる投手がいる。ブルワーズの先発右腕、コービン・バーンズ投手(26)だ。

 今季4試合、24回1/3を投げて40三振を奪い、四球はなんと0。奪三振数を割ることができず、文字通り「測定不能」だ。記録専門会社エライアスによると、投手と本塁の間が18・44メートルに定められた1893年以降、開幕から40三振を奪うまでに四球を与えなかった初めての先発投手だという。6回を無四球で4安打無失点、10奪三振で2勝目を挙げた20日のパドレス戦で、この偉業に到達したバーンズ。試合後には「今晩、チームみんなでその記録を喜んだ。ただ、明日からは次に向けて準備しないとね」と冷静に話した。

 飛躍のきっかけをつかんだのは昨季。19年に主にリリーフで32試合に登板して防御率8・82という低調から脱皮すべく、手を尽くして臨んだ。レーシック手術を受け、メンタルトレーニングに励み、投球の主体だった直球(フォーシーム)を全てカットボールに変えるなど、さまざまな取り組みが奏功。60試合制のシーズンで4勝1敗、防御率2・11の好成績をマークし、規定投球回に1/3足りなかったにもかかわらず、サイ・ヤング賞投票で6位に入った。

 20日現在で4試合に登板して2勝1敗、両リーグトップの防御率0・37。昨季はバウアー(当時レッズ、現ドジャース)が制し、ダルビッシュ(当時カブス、現パドレス)が2位に終わったナ・リーグのサイ・ヤング賞争いが、バーンズの本格ブレークにより、今季はさらにハイレベルになりそうだ。(記者コラム・大林 幹雄)

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2021年4月22日のニュース