広島・床田の頼もしすぎる復調 多彩な決め球で6回1失点 「勝ちたかった」は自覚の表れ

[ 2021年4月22日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-1ヤクルト ( 2021年4月21日    マツダ )

<広・ヤ(5)>力投する先発の床田 (撮影・奥 調)
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 広島・床田寛樹投手(26)は今季初の中5日での先発となった21日のヤクルト戦で6回4安打1失点と好投した。打線が2試合連続1得点と振るわず、今季2度目の引き分けで今季2勝目こそならなかったが、開幕投手の大瀬良が離脱するなど先発陣に不安が残る中で、しっかりと役目を果たした。

 先発陣に離脱者が相次ぐ苦しい状況で、床田の頼もしさが際立った。「勝ちたかったですけど…」。今季初の中5日で6回1失点の好投にも反省が口をつくのは、投手陣をけん引しようとする自覚の表れだろう。

 変化球でも腕を強く振り切り、打者を惑わせた。今季最多を数えた8奪三振の勝負球は最速149キロを計測した直球にスライダー、ツーシーム、チェンジアップと多彩。4回1死から山田を四球で歩かせたが、村上を「一番よかった」外角スライダーで空振り三振。続く青木も外角直球で見逃し三振と寄せ付けなかった。

 「ツーシームがそれなりにいいところに決まって、要所要所でいい球を投げられた」

 6回1死一、二塁のピンチでは村上をツーシームで2打席連続の空振り三振に仕留めたが、青木には1ボールから外角を狙った直球が真ん中に入り、中前へ運ばれ唯一の失点となった。

 「青木さんの球が少し真ん中に入ったのは一番悔いが残る。何とか先制点だけは…と思って投げたけど、もったいなかった」

 それでも、今季最長タイの6回を最少失点にとどめる力投だった。今季2勝目はならなかったものの、佐々岡監督は「いい出来だった。しっかりと攻め切れていたから三振も多かったし、腕も振れていた」と評価した。

 先発陣には暗雲が垂れ込めている。大瀬良が「右腓腹(ひふく)筋挫傷」で16日に登録抹消されるなど、開幕ローテーション入りした6人中3人が離脱。先発では九里に次ぐ年長者となった床田には、普段以上に大きな役割が求められている。

 「何とか勝てるように…と思っている。自分で自分に勝ちをつけるとなったら、もう1イニングぐらいは行けるようにしたいな…というのはあります」

 チームの今季10勝のうち8勝で先発投手がクオリティー・スタート(6回以上、自責点3以内)を達成している。打線が低調ないまこそ、先発陣の奮闘が欠かせない。 (河合 洋介)

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2021年4月22日のニュース