ソフトバンク・東浜号泣 川村氏へ感謝込め今季最長8回零封4勝「僕にとって恩人でした」

[ 2020年9月18日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2―1日本ハム ( 2020年9月17日    札幌D )

<日・ソ>ソフトバンクの先発・東浜(撮影・高橋茂夫)
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 鎮魂の97球だ。首位のソフトバンクは17日、日本ハムに2―1で競り勝ち、2位・ロッテとの1・5ゲーム差を守った。16日に川村隆史3軍コンディショニング担当が、くも膜下出血のため55歳で死去。東浜巨投手(30)は今季最長の8回を無失点で投げ切り、4勝目を挙げた。試合後に号泣した右腕は恩人の墓前に届けるウイニングボールを手にした。

 毎回、マウンドに上がるたびに右手を胸に当て、祈りをささげた。亡き恩人への感謝の思い。力ももらった。試合後、東浜は前日に急逝した3軍コンディショニング担当の川村氏のことを尋ねられると、大粒の涙があふれ出た。ずっと我慢していたが、限界だった。

 「泣きたくなかったのに…。昨晩からずっと祈っていました。毎回ずっと思いながら投げました。本当に悲しいけど、背中を押してくれた」

 選手は前日の試合後、訃報を聞かされた。東浜はショックを受けたが、翌日には登板が待つ。「頑張っている姿を見せ続けるのが僕らの仕事」と切り替えた。自宅のある大阪で通夜が営まれたこの日、札幌ドームに到着すると、チーム全員がロッカールームに集まり黙とうをささげた。そしてユニホームの左袖に喪章をつけ、試合に臨んだ。

 相手先発は上原。沖縄県うるま市出身のドラフト1位同士の対決となった。4歳下の左腕との息詰まる投手戦。ピンチでひたすら粘り、今季最長の8回を無四球で投げ切った。0―0の9回に打線が2点を勝ち越し白星がついた。今季初めて開幕投手を務めた8年目の右腕は「開幕から、もがいていた中でやっとチームに貢献できたかな」と言った。

 新人合同自主トレから指導を受けてきた川村氏のことを「僕にとって恩人でした」と感謝する。亜大から鳴り物入りで入団したが、3年間は通算6勝止まり。「“このままじゃ終わる”と思ったとき、トレーニング法を聞いてトレーナーも紹介してくれた」と懐かしむ。右肘手術で苦しんだ昨季は、リハビリ組で常に前向きな言葉を掛けてくれたという。

 試合後、ウイニングボールを大事そうに持っていた。「いつもは大事にしないけど、大事に保管してしっかりお供えしたい」。上を向き、必死に涙をこらえながらそう言った。

 2連勝で2位・ロッテとの1・5ゲーム差を守った。工藤監督は東浜の「鎮魂」の力投を称えた。「先発が球数少なく投げ切ると、こういうゲームを勝てる。(亡くなった)昨日の今日。何としても勝ちたかったので良かった」と言った。(井上 満夫)

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