進化を続ける阪神・大山の「フルスイング論」

[ 2020年9月18日 09:00 ]

フルスイングを貫く阪神・大山
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 出場71試合でリーグ2位の19本塁打。強打者への道を順調に歩んでいるのが、プロ4年目の阪神・大山だ。

 印象的なのは超積極的と言える打撃スタイルだ。軽打が必要な場面をのぞいて、ファーストストライクは高い確率でフルスイングする。結果が出なくてもスタイルを変えることはない。次の打席も、その次も、フルスイングを貫き続ける。

 そんな姿を見て思い出したのは今春キャンプだ。2月中旬に始まった実戦での大山を見て疑問を抱いた。ファーストストライクにとにかく手を出す。しかも、いまと違って、狙い球じゃなくても振っているように見えた。キャンプ打ち上げ直後に質問してみた。「意図はあるのか?」と。こう返ってきた。

 「一番怖いのはシーズン中にバッティングが小さくなること。そうならないように、無理矢理にでも、結果が出なくても、打席でフルスイングしておく必要があるんです」

 ライバルのマルテと対照的に結果が出ていなかった。それでも『振れる癖』を付けることを優先した。「怖さはありました。でも、井上コーチに“この時期はその方が良い”とアドバイスをもらいながら、なんとか…」。結果への欲望と、試合に出られないかもしれない恐怖と戦いながら、打撃の土台をつくっていたのだった。

 シーズンに入ってもその土台が支えになっている。凡退すれば“あっさりしてる”“軽い”と評されるスタイルだが、過去3年の経験から「バッティングが小さくなること」だけは避けなければいけないと分かっている。フルスイングを貫いていれば状態が悪い時でも甘いボールを長打にできる。その長打をきっかけに、復調のきっかけをつかめるのだ。

 成長を続ける大山に対して、本紙評論家は高い評価を下している。監督時代にドラフト1位で獲得した金本知憲氏は「一気にブレークするタイプと一歩一歩階段を上がるタイプがいる。大山は後者。コンスタントに30発を打ってほしい」と大きな期待を寄せる。

 同じ右打者として阪神で4番を務めた新井貴浩氏は「4年目であれだけ試合に出続けて、あれだけ打てているのはすごい。まだ4年目ですから」と話す。重圧を知るからこそ説得力がある言葉だ。

 無類の注目度を浴びるだけに、結果が出なかった打席の方が強い印象を受け取られる厳しい立場だ。だが、広い甲子園が本拠地で、71試合で19本塁打は立派な数字。本人が「一番大事」と話す打点も含めて、120試合のシーズンでどれだけの数字を残すか、注目だ。(記者コラム・巻木 周平)

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