阪神・高橋遥、今季初白星 圧巻9Kで巨人にリベンジ「やり返そうと」

[ 2019年5月31日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―2巨人 ( 2019年5月30日    甲子園 )

初回1死一塁、丸の打球に飛び付き併殺に仕留める高橋遥(撮影・後藤 正志)
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 阪神は30日、5―2で巨人を下し3連勝を飾った。先発した高橋遥人投手(23)は7回を4安打2失点にまとめ、今季初勝利。自己最多となる9三振を奪い、プロ2年目で同戦の初勝利を挙げた。チームが同戦で4連勝するのは13年以来6年ぶり。貯金は今季最多の6となった。

 誇らしげな表情を浮かべながら、お立ち台に上がった。左肘不安によるリハビリを乗り越えての377日ぶり勝利。高橋遥が7回4安打2失点の快投で、昨年、メッタ打ちを食らった巨人相手にリベンジを果たした。

 「去年すごい打たれてしまったので、今回はやり返そうと思って、思い切り投げることができました」

 強力打線相手に一歩も引くつもりはなかった。その象徴が中軸トリオに対する投球だった。3回2死から4回2死にかけて、丸、岡本、大城を3者連続三振。6回から7回にかけても、全てストレートで同じ顔ぶれから3連続三振を奪った。昨年4月の初対戦では岡本に特大弾を浴びるなど7失点したが、この夜は自己最多を更新する9奪三振。「思い切り腕を振ることができた」の言葉こそが、成長の証だった。

 1年目の昨季は左肘不安のため6月上旬からリハビリに励んだ。キャッチボールを再開したのは10月下旬。投手でいながら、白球を握ることすら許されない苦難の時を刻んだ。数少ない心の安らぎは、同期入団の育成1位・石井との会食。野球談義でやるせない思いをぶつけた。

 ただ、家族の前では弱みを一切見せなかった。今年の正月休み。静岡市に住む両親を伊豆旅行に誘った。片時も頭から離れなかったはずのケガを忘れ、兄弟5人でカラオケを熱唱。幼かった頃を思い出したかのように広場では走り回り、家族を安心させた。

 「長かったです。率直にうれしいですけど、初勝利の時より今のほうが何百倍もうれしい。久しぶりに強い真っすぐが投げられた。やっぱり自分は真っすぐが1番。今日は自信になりました」

 復活を印象づけたのは、これまた自己最多となる120球の力投だけではない。前回登板は6回無失点だった23日のヤクルト戦。コンディションを最優先するため登板翌日の抹消が通例だったが、プロ入り後初めて中6日でマウンドに立ち、先発としての役割を果たしたことに意義がある。

 矢野監督からは「内容も含めて本当に素晴らしいピッチングだったと思います」と称えられた。貯金は今季最多の6。成長著しい2年目左腕が、チームをさらに加速させる。(長谷川 凡記)

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