札幌第一 意地の5得点 夏につながる最終回4連打

[ 2019年3月26日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会第3日 1回戦   札幌第一5―24山梨学院 ( 2019年3月25日    甲子園 )

初戦敗退で甲子園を去る札幌第一ナイン(撮影・北條 貴史) 
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 2年ぶり出場の札幌第一が山梨学院に5―24で敗れた。3度目の出場で初勝利を目指したが、投手陣が3本塁打を含む24安打と打ち込まれ、センバツでの北海道勢最多失点の屈辱を味わった。投手陣を整備し、夏に向けて出直しを図る。

 スコアボードに刻まれた「24」という数字を、札幌第一ナインはぼうぜんと見つめるしかなかった。センバツ道勢ワースト失点。「私もショック。もう少しゲームになると思っていた」と菊池雄人監督(46)は肩を落とした。

 初回にいきなり10点を失った。公式戦初先発の山田翔太(2年)が2番打者に先制弾を許すと、そこから四球を挟んで5連打。打者9人、わずか2/3回6安打7失点で降板した。

 練習試合での安定感を買われて抜てきされた背番号5は「全て高めに浮いた。緊張ではなく実力」と唇を噛んだ。「こんなに制球できないことも、打たれたことも記憶にない。一からしっかりやらないといけない」と言葉を絞り出した。

 リリーフしたエースの野島丈(3年)も勢いを止められなかった。四球の後に適時打、さらに山梨学院の強打者・野村健太(3年)に3ランを浴びてマウンドを降りた。「抑えようとしてして力みが出て、浮いたところを一発で仕留められた」。練習試合で結果を出せず、先発を任せてもらえなかったことを含めて悔しさしかない。「信頼してもらえる投球をして、夏にまた戻ってきて投げたい」と雪辱を誓った。

 6投手中5人が複数失点し、計24安打10四球と明確な課題を突きつけられた。菊池監督は「甲子園は難しいところだと改めて感じた。雰囲気に飲まれて球が上ずってしまった。もう1つ上のレベルのボールを放れる投手をそろえないといけない」と、夏に向けて投手陣の再整備に乗り出す。

 本来「4番・捕手」の村田凛(3年)が右ヒジを痛めて一塁に回るなど、万全の布陣で臨むことができなかった。だが「それを言うと言い訳っぽくなるから」と多くを語らなかった指揮官。屈辱を真正面から受け止め、出直しを図る。 (石川 加奈子)

 〇…三塁側アルプス席には札幌から駆けつけた300人が声援を送った。関西遠征中の函館ラサールも友情応援した。17年センバツで背番号12を背負った野球部OBの牛田賢汰さん(19)は「自分の時はあっという間に終わった。今年は打撃がいいと聞いている。昨日(24日)は(札幌)大谷が勝ったし、負けないように初勝利してほしい」と声をからしたが、白星には届かなかった。

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