イチローが切り開いた「道」 劣等感を振り払った先頭弾

[ 2019年3月26日 10:45 ]

<WBC2次リーグ 米国・日本>初回、イチローは右越えに先頭打者ホーマーを放つ。投手・ピービー(2006年撮影)
Photo By スポニチ

 マリナーズ・イチローの引退に関連し、偉業を振り返るさまざまな報道があった。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第2回決勝で放った決勝打のことは特に繰り返し、映像が流れた。ただし、個人的に思い出されるのは2006年の方だ。

 第1回大会2次ラウンドのアメリカ戦。場所はエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム。日本の球場のように記者席がたくさん、用意されているわけではなく、下っ端だった私は右翼席上段に特設された記者席でプレーボールを迎えた。先発はピービ。この翌年にはサイ・ヤング賞に輝くことになるアメリカのエースである。

 いったいアメリカとどこまで戦えるのか。根拠のない漠然とした不安を抱いたのは私だけではなかったはずだ。初回、イチローの打球は勝手に抱いていた「劣等感」を振り払う先頭打者本塁打になる。それも真っすぐに私の方へ飛んできた。

 「メジャーリーガーも同じ人間なんだ」。そう、チームメートやファンに知らせたいと狙っていたのではないかと思えるほど、象徴的な放物線だった。道があれば人はそこを進むことができる。ただ、それを作ることが難しい。イチローの切り開いたその「道」は世界一へつながった。(記者コラム・福浦 健太郎)

続きを表示

「第91回(2019年)選抜高等学校野球大会」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2019年3月26日のニュース