【関西大学野球の新星】大院大・谷本一稀捕手、川畑憲正内野手(大院大高)悔しさ糧に今度こそ“聖地”へ

[ 2019年3月26日 10:00 ]

高校野球の聖地は大阪桐蔭の厚い壁に阻まれたが、大学野球の聖地は俺たちの手で導く!と意気込む大院大・川畑(左)谷本
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 「2―23」の大敗を糧にする。甲子園出場にあと一歩届かなかった大院大高出身の2人は、昨夏の北大阪大会決勝・大阪桐蔭戦で得た経験を、大阪学院大で生かすつもりだ。

 谷本一稀捕手は4人の投手をリード。先発全員の26安打を許したが、最後まで気持ちは切らさなかった。

 「どこに投げさせても打たれる気がしました。それでも、最後まで笑顔でピッチャーに声をかけました」

 元ロッテ捕手で伊丹シニアの田中力監督から受けた助言を胸に刻む。「捕手は暗い顔をしてはダメだ」――。1年後輩のエース・山崎や岡が安心して投げられるよう気を配った。

 最も衝撃を受けたのは、4番・藤原恭大外野手(ロッテ・ドラフト1位)の打撃だ。本塁打を含む6安打7打点にではない。素振りをする音が、ネクストバッターズサークルから聞こえてきたことだ。

 「捕手として一番近くでスイングを見られたし、(優勝するには)こんな選手を抑えないといけないのかと思いました」

 大学では高校通算30本塁打の長打力を生かせる選手になりたいと考えている。昨夏の引退後は、家の近くのランニングコースを40分ほど走るのを日課にし、93キロから83キロへ減量に成功。キレが増した体で「1年生から試合に出られるように」と意気込む。

 悲願の初優勝は同級生が果たしてくれた。昨年11月、全国高校サッカー選手権大阪予選の決勝に臨むメンバーに軽いノリで「決勝戦は甘くないぞ」とアドバイス。その効果もあってか、見事にPK戦を制して勝利。全国大会へ応援に行き刺激をもらった。

 川畑憲正内野手は、プロ入りした選手の強さを肌で感じ取った。同じ遊撃手として根尾昂内野手(中日・ドラフト1位)のプレーに目を奪われた。

 「序盤に三遊間を抜ければ1点入るかという打球を捕ってアウトにした。ここ一番でいいプレーを出せるのはすごい」

 敗色濃厚の8回には柿木蓮投手(日本ハム・ドラフト5位)の直球を右前へ運んだ。

 「バットの先っぽに当たったラッキーなヒットだったので、次に対戦があれば、自分が勝ったと思えるような1本を打ちたい」

 目標とするプロ野球選手になっての再戦を夢見る。

 1年ほど前、北海道への修学旅行で体験したスノーボードにはまった。最初はうまくできなかったが、持ち前の運動神経で最終日には滑れるように。体を動かすことが好きで、今季も気分転換を兼ねて3回ほど行ったという。

 「これからは野球に集中するだけです。やるからには神宮を目指したい」

 あこがれのプロ野球選手は、走攻守のすべてで高いレベルを誇るヤクルト・山田哲人。その山田が本拠地とする大学野球の聖地を目指す4年間が始まる。

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