【斎藤隆MLBリポート】長所伸ばす1Aは“規格外”養成所

[ 2017年7月20日 08:10 ]

外野後方には小高い山を望む1Aレークエルシノアの本拠地球場。未来のスター候補たちがここでしのぎを削っている
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 パドレスは2、3年先を見据えたチームづくりに着手しており、現在、1Aは才能の宝庫と言えます。6月上旬。私は、球団アドバイザーを務める野茂英雄さんと一緒に、1Aのカテゴリーで一番上に位置するレークエルシノアを視察しました。ちょうどドラフト終了翌日で、スカウト4、5人のほか、A・J・プレラーGMまで集結。その動きを見れば、球団幹部の「目」がどこに向いているかよく分かります。

 昨年のドラフト1巡目指名、22歳の右腕クアントリルはまだ粗削りですが、常時150キロ台の速球を投げます。一塁を守る左のスラッガー、ネイラーはまだ20歳ですが、もし日本に来れば、今すぐにでも1軍で活躍できそうな逸材。なんでこれほど能力が高い選手が1Aにいるのかと不思議ですが、このピラミッド式のシステムこそが、規格外の選手を生み出す理由ではないかと思います。

 1Aの位置付けは、簡単に言えば、選手の長所を伸ばす場所。試合では驚くようなミスもありますが、指導者がそれを強く指摘したり、怒ったりすることはありません。それよりも選手個々のポテンシャルを見定め、長所を伸ばすことに時間を費やす。野手で入団してきても、肩の強さを生かした方がいいと判断すれば、投手に転向させる。その代表例が、マイナー時代に捕手から投手に転向し、今やメジャーを代表するクローザーとなったドジャースのジャンセンでしょう。それだけの時間があるのです。

 一方、日本は3軍制を採用している球団もありますが、基本は2軍制です。2軍の役目は、どちらかと言えば、短所を削り、できるだけ早く1軍でプレーできるように準備させること。長所と向き合うのが米国なら、短所と向き合うのが日本。それは、高校や大学の強豪校の指導でも言えることかもしれません。

 型にはまらない1Aの選手を見ていると、改めてマイナーの重要性というものを感じます。クアントリルとネイラーは今月初めに2Aサンアントニオに昇格しました。それは、いつでもメジャーに上がる準備ができたことを意味しています。(パドレス球団アドバイザー)

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